ジンゴロウヤドカリとヒメキンカライソギンチャク

2019年5月 25日(土曜日) 筆者 もりたき

ジンゴロウヤドカリとヒメキンカライソギンチャクは共生関係にあることが知られています(三重県では熊野灘の水深300mあたり、沖合底引き網で採集できます)

このイソギンチャクはヤドカリが入った貝殻を土台にして、自ら貝殻のようなものを作り出していくことが知られています。宿替えしなくても住まいがどんどん大きくなる訳で、結果、ヤドカリは成長に伴う宿替えの頻度が低くなる、と考えられています。ヤドカリとイソギンチャク双方にメリットがあるのでしょうね。

イソギンチャクが作った“殻” 白く見えるものは土台となった貝殻

水槽内でもイソギンチャクがこの偽物の貝殻を作り出すのでしょうか?実際は見たことがないので、観察してみることにしてみました。

今後、成長に伴って宿替えするであろう小型のジンちゃん(イソギンチャクなし)を水槽に導入。

水槽には先住の大型個体(イソギンチャクあり)と使用済みのヒメキンカライソギンチャクがいくつか入っています。

ジンちゃん、果敢にも大型個体のイソギンチャクを奪おうとしてましたが、思いっきり拒否られていました(笑)

それが、3日後に見ると(その間、私は休みでした)落ちていたイソギンチャクをしっかり貝殻に装着しているではないですか!

完全にくるまれていますね。今後、水槽内でも偽物の殻がつくられていくのか、観察を続けていきたいと思います。

【飼育研究部 森滝丈也】

鏡餅がパフェになる

2019年5月 22日(水曜日) 筆者 もりたき

へんな生きもの研究所アパート水槽2号室で飼育中の、熊野灘の水深300mからやってきた「カガミモチウニ(通称)」

普段はこんな風に2匹が鏡餅のように重なっています。性別によって上下の位置が決まっているようなので、鏡餅になるのはおそらく繁殖行動だと考えています(メスの上にオスが乗る)

たまにメスの上のオスと、そのメスを乗っ取ろうとする単独オスの間で激しい押し合いが引き起こされて(私はこの行動をひそかに「ウニ相撲」と呼んでいます)場合によってはそのまま三段重ねになることもあります(この姿はちょっとレア)

そんなカガミモチウニですが、昨日はとても珍しい体勢でした!こんなの初めて見ました。何と1匹に4匹が乗っているじゃないですか!(3匹に見えますが裏側にも1匹が隠れています)激しい陣取り合戦。

裏側

これはパフェ状態とでも表現したら良いでしょうか(笑)初確認なのでレア度MAXです。

【飼育研究部 森滝丈也】

固い絆で結ばれて。

2019年5月 22日(水曜日) 筆者 ともちゃん

皆さんこんにちは、ともちゃんです。

 

さてさて、大分の水族館「うみたまご」から来ていたセイウチのミーちゃんが5月17日に鳥羽水族館を出発し、翌18日に無事に大分へ戻りました。

ミーちゃんの鳥羽水族館での生活の大半はツララと同居していまして、ツララもミーちゃんが帰って寂しそうに?していました。

誰かを呼ぶように鳴いてみたり、上の方を何か探すように見渡していたり。

 

一緒に居るときはこんな風に仲良く日光浴をしながらお昼寝してたよね。

それが今では…

ひとりで頭をぽりぽりかいて寂しそう。

 

ツララは5月31日で10歳、ミーちゃんは推定17歳と優しい妹思いのお姉ちゃんが居なくなってしまうのは寂しいですよね。

天気の良い日は2人でお尻をくっつけて日向ぼっこしたり、1つのおもちゃを取り合ったり、ツララもミーちゃんとはとても相性が良く、心を許している感じがありました。

ツララにもミーちゃんにも良い刺激だったと思います!

 

出会いもあれば別れもある。春ってほんとに一瞬です。

 

ミーちゃん、ほんとにありがとう!

またツララと会うことがあったら、いっぱい遊んであげてね(^^)

 

【飼育研究部 ともちゃん】

 

1年後の姿

2019年5月 22日(水曜日) 筆者 つぼんぬ

今年は3月からコブシメの赤ちゃんの展示を始めました。

スクスクと大きくなり、現在の大きさは産まれた時の5倍くらいにまで成長しています。

毎年ですが、給餌するときに入れる餌の量やその大きさにいつもお客さんからびっくりされます。

「そんなに食べるんですか?」とか「そんな大きい餌をあげるんですか?」など・・。

そんなときは、すぐ近くの水槽の昨年うまれのコブシメ(成体)を見てもらって、

「1年後にはあの大きさにまでなるので、成長するスピードがとても早くて、食べる量も多いんです。」

と説明すると、みなさん納得してもらえます。

鳥羽水族館でのコブシメの寿命は1年~1年半弱なので、赤ちゃんと成体を同時に見てもらえる期間は長くて3ヶ月あるかないかくらいです。

今年はもう少しだけ見てもらえそうなので、コブシメの1年後の姿を観察できる貴重な今の時期にぜひ見に来てくださいね。

【飼育研究部 つぼんぬ】

ミズヘビ髭ダンディズム

2019年5月 21日(火曜日) 筆者 ニッシー

ニッシーです。ご機嫌よう。

今回はとても「ダンディー」な生きものを紹介したいと思います。

それはこちらの「ヒゲミズヘビ」です。

タイ、ベトナム等の流れの遅い淡水域に生息していています。

他のミズヘビと違って、危険を感じると威嚇や攻撃をするのではなく、体を棒のように伸ばし硬直する変わった生態をしています。

(写真のように持って触っても怒ることなくジッとしている。)

口元にある髭のようにも見えるダンディーな突起物が名前の由来となっています。

いずれは展示出来るようにしていく予定なので、乞うご期待ください!

【飼育研究部 ニッシー】

オウムガイが交接していました

2019年5月 21日(火曜日) 筆者 もりたき

今朝、久しぶりにオウムガイ(Nutilus pompilius)の交接を確認しました。

オス(左)とメス

交接とはオウムガイの繁殖行動。向かい合わせになったオスがメスを抱えて精包を手渡します。

この精包の中には20-30cm程の長い精莢(せいきょう)が入っていて、その中に精子がつまっています(参考画像はオオベソオウムガイのもの)

交接時間は様々で、数分で終わる場合もあれば、24時間以上続く場合も。これまでの経験では、何となくですがオウムガイやオオベソオウムガイは比較的長時間であるのに対して、パラオオウムガイは短時間で終了するような気がしますね。

メスの口の下側には精包を受け取るポケット(ヴァランシエンヌ器官)があって、交接終了後に、ここを見ればオスから精子を受け取ったか簡単にわかります(オウムガイとオオベソオウムガイは頑なに触手を縮こませるので確認はかなり難しいですが)

さて。朝のミーティング後に確認すると、既に交接は終了していました。無事に精子がメスに手渡されたか気になってしばらく見ていると…メスがプッと小さなカスを吹き出しました!これはきっと精包のカスです!

さっそく回収して、顕微鏡で確認すると…ビンゴ!精莢の断片と動く精子が確認できました(毛のように散らばっているのが精子)

数日後には産卵するはずなので、うまく受精してくれれば良いのですが…

【飼育研究部 森滝丈也】

お散歩大好き?アイルちゃん

2019年5月 20日(月曜日) 筆者 ろん

毎日12時からのペンギンのお散歩に、ほぼ100%参加のペンギンさんがいます。

名前はアイル。左の翼に黄緑のタグが2本ついているのが目印です。

そろそろお散歩の時間・・・と、扉が開くと真っ先に飛び出していきます。

お散歩中は、気になる何かを見つけるとコースを外れていく事も多いので、好奇心旺盛なのかな~と思っていたのですが、最近、アイルちゃんには他に目的があるのでは?と思えてきました。

実はアイルちゃんはスタッフのお兄さんが大好き。

特にまえだ君がお気に入り。

お散歩後、他のペンギン達はお家へ帰っていくのに、帰り道を逆走するアイルちゃん。。。

その先には

いた!まえだ君。

撫でて貰って嬉しそう(^^)

よかったね、アイルちゃん。

しかし、帰らない。。。ので、まえだ君にアイルちゃんを帰して貰います。

また明日!

【飼育研究部 ろん】

ミーの帰館

2019年5月 20日(月曜日) 筆者 まえだ

早くも夏の気配が漂い始めましたが皆様いかがお過ごしでしょうか?

まえだです。

 

さて、5月17日の閉館後に約2か月滞在したセイウチのミーちゃんが大分のうみたまごへ帰る為、鳥羽を出発しました。

翌18日の朝、約16時間の長旅を終えて無事に到着したと連絡を受けました。

担当者一同ほっと一安心です。

これにて2月から3月に滞在していた「泉」とあわせて約3か月、今期のうみたまごとのセイウチのブリーディングローンが終了しました。

2月の私の飼育日記にも書きましたが、この取り組みは今後の国内セイウチの未来を切り開く上で非常に有意義な取り組みです。

うみたまごの職員さんたちとの交流も含め、私たち自身非常にいい経験をさせていただきました。

 

セイウチの妊娠期間は約15か月。

セイウチは「着床遅延」という特殊な発生方法を経て胎児が成長するため、妊娠しているか判断するまでかなり時間を有します。

皆様にいいニュースを報告できるよう、私たちも楽しみに待ちたいと思います。

【飼育研究部 まえだ】

B10が100日を迎えました

2019年5月 19日(日曜日) 筆者 もりたき

本日、2月8日に孵化したパラオオウムガイB10(Nautilus belauensis 10番目の孵化個体)が無事に100日齢を迎えました。前日の姿はこちら。

 

孵化直後はこんな姿でした。成長した部分がわかるでしょうか(少し黒い筋ができています)

2017年10月に入館したパラオオウムガイ達が産んだ34個の卵のうち、無事に孵化したのが12個。これまでのオウムガイやオオベソオウムガイの孵化率(10%程度)と比べてかなり高い孵化率だったので、期待は大きかったのですが、やはりその後の飼育は難しく…今は3匹が残るだけとなりました。

その中で何とか無事に100日齢を迎えることができたB10。パラオオウムガイで100日越えしたのはB2に続いてようやく2匹目。まだまだこれから前途多難の予感はありますが、このまま何事もなく成長していってもらいたいものです。

【飼育研究部 森滝丈也】

気温上昇に伴うビーバーの寝相の変化について

2019年5月 17日(金曜日) 筆者 つじ

皆さまこんにちは。

飼育研究部のつじです。

鳥羽水族館のビーバーは気温の変化に伴って寝相が変わる傾向があります。

2019年2月撮影

2019年5月撮影

このように、寒い時期はうつ伏せ、暑い時期は仰向けで寝る傾向があります。

当館のビーバーの起床時刻は12時頃となっていますので、

寝ているところをご覧頂く場合は午前中にビーバー水槽まで足を運んで頂ければと思います。

なお、日によって起床時刻は変化します。午前中でも起きている場合が御座いますのでご了承下さい。

 

飼育研究部 つじ