シダムシの解剖

2017年1月 16日(月曜日) 筆者 もりたき

ヒトデに寄生する甲殻類(嚢胸類)シダムシ。

先日の土曜日は、今進めているシダムシ研究の仲間(チームシダムシ)と一緒にシダムシ研究の第一人者グライガ―博士の指導を受けるために琵琶湖博物館まで行ってきました(水族館業務ではありませんが)

午前中はシダムシの話を色々とお聞きして、昼からは貴重な文献の複写作業。フランス語やらロシア語やらドイツ語やら、眩暈がします…(笑)

最後の1時間は館内案内もしていただきました。

でも、お話を聞いて、漠然としていたシダムシの体の構造がずいぶん理解できた気がしましたよ。

例えば、このモジャモジャしたものがアカヒトデのシダムシですが(ヒトデの種類によってシダムシの種類・姿が異なります)

これを見る限り、枝分かれした外套は柔らかく、外から体節構造は全くわからないので甲殻類には見えません。

ところが体の中に体節が残る部位があるのです。

それは中央に伸びるミドルピースの先端あたり。

ここに小さな口器と第1触角があるのです。

 

それを観察するため、グライガーさんに聞いたことを思い返しながら、昨日さっそくシダムシの解剖にトライ!

ミドルピースの腹側を下から口に向かって縦に切開していくと…

おぉ!ありました!

△の口器と第1触角が見つかりました。触角の長さは0.5mm程。

これまで何度かチャレンジしたことがありましたがうまく解剖できず、触角と口器の位置関係がよく分からなかったのですが、今回は何とか成功です(嬉)

やはりシダムシの体のつくりを自分なりにイメージできたからでしょう。

 

この第1触角はシダムシの種類を特定するために重要なポイントになるそうです。

よく見ると、シダムシのイモムシの脚のように並んだ、付属肢みたいなもの(矢印)もうっすらと確認出来ました(この画像では少しわかりにくいかも知れません)

確かに、グライガーさんからはこういったものも見つかることがあると教わりました。

こんな作業を繰り返すことで、シダムシをより深く理解できるようになっていくのでしょう。

頑張ります!

【飼育研究部 森滝丈也】

ダイオウグソクムシに会いに…

2017年1月 15日(日曜日) 筆者 もりたき

今週、嬉しい出会いがありました。

火曜日のことでした。

年間パスポートを購入してくれた小学生がダイオウグソクムシについて質問があるというので、営業事務所に向かうと…小学2年生の少年がちょこんと椅子に座っていました。前日に見たダイオウグソクムシの配置図をスケッチしたり、色々と熱心に質問してくれたりと、とても熱心。

話しの途中で、どこから来たの?とたずねると、何と、北海道の旭川からとの返事。すごいなぁ北海道からかぁ…(お母さんのご実家が三重だそうです)

そして、一通り質問を終えると、お供の御祖母さんを置いて少年はそそくさと館内へ走っていきました(笑)

 

なんでも月曜日にも見学に来ていて、明日も見に来る予定なのだとか。ダイオウグソクムシの観察を冬休みの宿題(北海道はまだ冬休み中)にするそうです。

それから3日後の金曜日…(私は水曜日と木曜日は休みをいただいていました)

出勤すると、職場の同僚から「昨日、小学生が森滝さんを探していたよ」と声をかけられました。

え?あの子、木曜日も来ていたの?4日連続だよ、すごいなぁ。…と思っていたら、何と今日も来館すると言っていたとのこと。

楽しみに待っていると、少年は昼過ぎにやってきました。

やっぱり今日もダイオウグソクムシの観察です。

 

ちょうどへんな生きもの研究所の給餌日だったので、彼の目の前でダイオウグソクムシにサンマとマアジを与えてみることにしました。

すると、ダイオウグソクムシ達も気をきかせてくれたのか(笑)すぐに反応し始めて、動きが活発に。

今回は27号とイケメン25号が摂餌しました。

 

滅多に見られない摂餌シーンに少年も大興奮!

27号

一緒に来ていたお母さんも興奮!記録用に動画撮影中。

結局、この少年は5日間連続で来館して、ダイオウグソクムシを熱心に観察してくれました。

冬休みの楽しい思い出(宿題)になったようで、こちらもとても嬉しくなりました。

 

へんな生きもの研究所の生きものや私に会いに、こんな少年のようなお客さまが(大人の方もいますが)訪ねてきてくれることが、最近よくあります。

そんな方々とお話していると、この仕事をしていて本当に良かったと感じます。

【飼育研究部 森滝丈也】

ウミサボテン死亡のお知らせ

2017年1月 14日(土曜日) 筆者 つじ

ウミサボテンは5つ目のポリプが出現しました。

ここまでくるとウミサボテンっぽく見えるなあと思っていた矢先のことでした。

朝出勤し、いつもの日課になった、朝一のシャーレ確認をしにいくと。。。

唖然としました。

変色してほぼ溶けてしまったウミサボテンがそこにはありました。

一つでも生きていないかと思いましたが、全滅。

この場で感情論は書きたくありませんが、、、

悔しい以外の言葉がありませんでした。

原因はおそらく水が悪くなり、それに伴い1群体が溶け出して、それと連鎖して全てに広がったのでしょう。

実は死亡前日、私は休みでしたが、気になって夕方様子を見に来ていました。

何故異変に気が付けなかったのか・・・。

あれをすれば、これさえしていればと後悔の念が駆けめぐりました。

しかも、繁殖の申請要項を全て整えたばかりだったのです。

正直なところ、この育成、飼育に成功したところで、私に何か儲けがあることはありません。

これは一般的なサラリーマンと異なる大きなポイントです。

飼育員と動物に利害関係が無いのは皆さんも納得かも知れませんが、一般的な仕事と比べると不思議かもしれませんね。

ではなぜ育成にトライするのか。

それは飼育員の持つ根本的興味とちょっとしたロマンだと思っています。(あくまで個人的感想)

産卵の形態はどういうものなのか気になる。

繁殖の過程がわかっていないものが、少しずつ成長していく様子を見てみたい。

単純ににこういう気持ちだけで動いています。

水槽の中には皆さんが想像できないほどの変化があります。

個体の成長であったり、産卵であったり、状態の悪化であったり。

それらに気が付いて何かするのは飼育員しかいないので、

原動力となる、「興味とちょっとしたロマン」を持ちながら、またトライしようと思った次第です。

飼育研究部 辻 晴仁

スギノキミドリイシの多頭化

2017年1月 13日(金曜日) 筆者 もりたき

エントランスホールにあるサンゴ水槽で2003年からサンゴ(ミドリイシの仲間)を飼育しています。

中でもこのスギノキミドリイシは、飼育開始から10年以上経過しています(枝を折って株分けしていますが)

それが秋ぐらいから、少し変な姿になってきました。

お分かりでしょうか?枝の先端がブロッコリー状になっています。

潜水掃除のついでに撮影してみました。

ミドリイシの枝の先端にあるポリプは「頭頂体」と呼ばれ、サンゴの成長点にあたりますが、どうもこのスギノキミドリイシは何らかの原因で、本来は枝の先端に一つだけあるはずの頭頂体が「多頭化」してしまったようなのです。

 

年が明けた本日、再度撮影してみると、先月に比べて多頭化した部分は少し広がって(展開して)きたように見えます。

ここを起点にこれから四方八方に枝分かれしていくのかも知れません。

ちなみに水槽の全てのスギノキミドリイシが同じ姿になっています(他の種類は変化ありません)

今のところ原因は不明ですが、スギノキミドリイシだけに何かが作用したようです。

【飼育研究部 森滝丈也】

贈り物。

2017年1月 10日(火曜日) 筆者 おーむら

お久しぶりです。おーむらです!

今日はとても嬉しいことがありました!

 

先日、小学生の女の子から「アシカのトレーニングの方法を教えて下さい」と

副館長にFAXが届き、その返事を僕が書くことになりました。

 

その子はイルカのトレーナーを目指しているらしく、

学校の卒業発表をするのにとても熱心に副館長に質問をしていたようです。

 

まだまだ勉強中でペーペーの僕が.....と思いましたが、

自分の言葉でなるべく分かりやすく、簡単にまとめてお返事させてもらいました。

 

すると今日、お昼ご飯を食べ終わった後に事務所に戻ると、

先輩から「おーむら君!郵便来てるよ!」と連絡が!

 

え?郵便?なんか頼んだっけな~と思いながら封筒を開けると

その子から素敵なお手紙と、そのお母さんから手作りのキーホルダーを頂きました。

とっても素敵ですよね!!!

しかも僕が好きな黄色とみどり!!!驚きました(笑)

 

僕も小学生の頃から飼育員を目指していたので、なんだか懐かしくて温かい気持ちと

また明日からいいパフォーマンスが出来るように頑張ろうと思わせてくれました。

 

そして、お返事を書くのに初心に戻って勉強し直すことが出来たので、感謝しています。

「有り難うございます」

 

このキーホルダーとっても可愛くて、もったいなくてどこに付けたら良いか迷ってます...

何か良いアイディアある人教えて下さい...今は自分のロッカーに飾ってあります。

 

とっても素敵な贈り物でした!

 

それでは、明日のショーも頑張りましょ!

さよなら~~~~~~~!

 

飼育員がやるのとお客様がやるの、どっちがおもしろいの?

2017年1月 10日(火曜日) 筆者 ともちゃん

 

 

どうもみなさん

いかがお過ごしですか?

 

今日は暖かいですが

明日から猛烈に寒くなるとか…。

 

今はまだエ○リズムを着てます

ともちゃんです。笑

そろそろヒ○トテックの出番でしょうか(*^_^*)

 

 

 

さてさて、昨日で

お正月イベントも終わってしまいました。

 

昨日が?一昨日が?

成人式もありましたね。

今日からは子供達も学校が始まって

水族館も混雑せずゆったりモード。

 

 

 

さて、えらく長いタイトルです。

今日の日記はタイトルのまんま!

 

 

お正月イベントの福笑い。

けっこうたくさんの人が足を止め

実際に体験してくれてました。

 

中にはクスッと笑いを誘うような

ユニークなモノもたくさん!

 

 

ある日の閉館後です。

 

セイウチ担当の先輩、いまさんが

「やろっかなー!」と

おもむろにメガネをかけて準備を始めました。

気合い入ってます!!

 

まずは、肝心の口の部分から!

 

次は目ですね!

 

どこやろなぁ~!

 

こんなもんかな!笑

 

違うなぁ。

 

次はほっぺのマークや!

 

次はベロやん。

 

フェイントでなんかへんなヤツ

持たされてます。笑

 

最後は歯ブラシじゃー!

 

どーん!!完成です!

 

感想…

普通に出来てるやん。笑

 

やはり正確さでは

毎日接している担当者には敵いませんが

「笑い」となるとお客様の方が

何倍もおもしろいんです!!

 

 

 

 

まずはこちら。

一見、普通に見えるのですが

少し口元がずれています。

ちょっとおもしろい!

 

 

 

これはすごい!

見た瞬間に圧倒されました。

口のパーツなんて

ボードからはみ出てますからね。

次の人、やりにくいだろ~なぁ。笑

 

 

 

 

結果、めでたしめでたしというわけで

誰がやってもおもしろい福笑い。

今年はどんな「笑い」が

皆さんに訪れるのでしょうか?

 

毎日のショーも皆さんの「笑い」によって

成り立っているんです!!

 

水族館に来たら難しい顔しないで

是非、笑ってくださいねー!!

 

 

 

 

 

 

イガグリガニの餌の食べ方

2017年1月 10日(火曜日) 筆者 もりたき

へんな生きもの研究所で甲幅が3cmほどの小さなイガグリガニを展示しています。

最近、このイガグリガニの少し変わった餌の食べ方に気付きました。

 

餌の むきアサリを与えても、直後は決まって無反応なのに、翌日見るとしっかり掴んで ちまちまと食べています。

どうやら、イガグリガニは時間を置いてから食べ始める習性があるようです。

次の日もアサリは持ったままで、相変わらずちまちま食べ続けています(笑)(背後にあるのはジクネカイメン属の一種)

給餌日は月曜と金曜の週二回。

給餌日以外の日にちまちま食べ続けている格好になります。

もしかしたら、イガグリガニはスカベンジャー(腐肉食)の傾向が強いのかもしれません。

ちまちまスカベンジャーか(笑)

 

他の水槽には普通サイズのイガグリガニを飼育していますが、ここでも給餌後しばらくは餌を放置しておいた方が良いのかも知れません。

【飼育研究部 森滝丈也】

待ってます・・・か?

2017年1月 9日(月曜日) 筆者 ろん

お正月の三が日に、ラッコ達に伊勢エビのお飾り付きの鏡餅氷をあげました。

最終日の三日は、メイがなるべく食べられるように!と、

いつもは冷凍している伊勢エビを、メイの分は解凍。

二日までは、早めに冷凍庫から出しているくらいで、それほど柔らかくなっていなかったのですが

三日はかなり食べやすかったようで、6割か7割くらいは食べることが出来ました!

残りの3割ほどはロイズ君が横取りしてしまいましたが・・・(^_^;)

 

三日連続伊勢エビという、お正月満喫のラッコ達でしたが

お正月も終わった、最近のお昼の後。

ソワソワしてる?

何か来るかな??

伊勢エビ???

とスタッフの出入りする扉を見てくる気がするのです。

やっぱり伊勢エビは美味しかったかな?

ですが、伊勢エビが三日も続くなんてお正月だけ!

来年を楽しみにしていて欲しいですね♪

スイクチ初め

2017年1月 8日(日曜日) 筆者 もりたき

スイクチムシ…見かけからは想像つきませんが、実はゴカイなど同じ多毛類(環形動物)の一員。

170種ほどいるほとんどがウミユリ類(ウミシダ類)に寄生していますが、ごく一部がヒトデ、クモヒトデ類から報告されています。

 

一昨年、去年と熊野灘の沖合底引き網で採集した複数種のヒトデからスイクチムシ(Asteriomyzostomum属未記載種)が見つかっています。

さぁ、今年も引き続き死んだヒトデを解剖してスイクチムシを探していきますよ!

 

さっそく昨日、今年初めてとなるスイクチムシを発見!

もう、中吉のおみくじ引き当てたぐらいのテンションです(笑)

今回のスイクチムシは幽門盲嚢から見つかりました。

Hostであるこのウデナガゴカクヒトデからは肛門近くにある直腸嚢と消化腺である幽門盲嚢からそれぞれ少し形態の異なる(ように見える)2種?のスイクチムシが見つかっています。

 

同じヒトデに2種のスイクチムシがいるのでしょうか?この2種が別種なのか精査する必要がありそうです。

興味深いので備忘録としてアップしておきます。

 

腹面

引き続き調査していきたいと思います。

【飼育研究部 森滝丈也】

 

ぼっちウニは リア充になるか

2017年1月 7日(土曜日) 筆者 もりたき

へんな生きもの研究所で熊野灘の水深300mで採集された「鏡餅ウニ」ことPrionechinus forbesianus(和名なし)を飼育しています。

このウニは時々「鏡餅」のように重なる面白い習性があります。

何故このような行動をするのか今のところ不明ですが、解明するのが今年の目標のひとつ(宣言!)

多い時は6組みほどが鏡餅になっています。

 

必ず大型個体の上に小型個体が乗り、以前の観察では同じ個体を選んでペアになるように見えました(要検証)

 

さて。

昨日水槽を見ていて、重なったウニに接近中の単独のウニ(ぼっちウニ)に気が付きました。

鏡餅になった上のウニは、近づく ぼっちウニを阻止するかのような行動を取ります。

で、ぼっちウニは追い払われてしまいました。

面白い行動なので、隔離して観察してみることにしました。

プラケースの中にリア充2組みと先程の ぼっちウニを投入。

一晩おいて、今朝見ると ぼっちウニは相変わらず単独のままでした。

組み合わせは変わらず。

一方、鏡餅になった2組は排便していました(このウニは海底に沈む木を食べます)

ところで、これは上の個体が排便したのでしょうか?それとも下の個体?

私は上の個体じゃないかと予想しています。

…と言うのも、大型個体が沈木を食べて、上の小型個体はその便を食べているのではないか?と予想しているからです(これが鏡餅になる理由)

まだ仮説の段階ですが…

 

だとしたら、小型のぼっちウニは沈木をかじることできないのでそのうち腹ペコになるのでは…?と思いながら、先程(14:30頃)再度、水槽をのぞくと…

おぉ!ぼっちウニが鏡餅ウニの上に乗っているではないですか!(安定はしていませんが)

これは見た事がない体勢。

これは、そこまでして上になりたい理由が必ず何かかあるはず!

ん~観察と検証が楽しくなってきました。

【飼育研究部 森滝丈也】