仰向けライチ

2017年7月 22日(土曜日) 筆者 ろん

最近、バイカルアザラシのライチちゃんの朝は、こんな事になっていることが多いんです。

仰向けで、プールに顔だけ浸けて

プールの中を眺めます。

じぃぃぃ~っ

おっと、呼吸しなきゃ。

というのを繰り返しています。

 

他のアザラシも、顔だけ浸けていることはあるんですが、仰向けで、しかも、ずっとこの体勢をキープしているのはライチぐらいですね(^_^;)

仰向けになっていてしんどくないのかな?と思うのですが、彼女はこれがお気に入りのようで、朝一にやっている事が多いです。

バイカルアザラシ達は、それぞれお気に入りの一人遊びがあるのですが、ライチのお気に入り遊びは「仰向け」のようです。

仰向けになって漂うように泳いでいたり、水中にせり出した陸場の天井部分に貼り付いていたりします。

まだまだ小さいと思っていましたが、不思議な一人遊びが好きなバイカルアザラシらしい一面が出てきたライチちゃんでした。

 

私が展示室に入った時も、まだやっていたライチちゃん。

近づくとギリギリまでこの状態で頑張っていましたが、この後プールへ入っていきました。

ギリギリまで頑張るほど、仰向けが好きなのね(^_^;)

 

 

 

バナナムシ出現!

2017年7月 21日(金曜日) 筆者 もりたき

今から2年前、水族館の周辺で採集されるクモガタウミウシから体長2cmほどの全身黄色の寄生虫が見つかりました(内部寄生性ウズムシ類、フェカンピア属の一種)

当時、水槽内に正体不明生物が現れた!と話題になり、テレビのニュースにも取り上げられました。

その色かたちから私はこいつを「バナナムシ」と呼んでいましたが 、いまなら「ミニオンムシ」でも良いかもしれない(笑)

 

さて。

このバナナムシは 成熟するとウミウシの体内から抜け出してコクーン(繭)をつくりはじめるという興味深い習性があります。

抜け出す瞬間↓

論文によると、作り上げた繭の中で産卵をするようです(本種では未確認)

 

当時は研究者の力を借りていろいろな角度からこのバナナムシについて調べ始めましたが、遺伝子の解析が上手くいかず、正体不明のまま。

もう一度しっかり観察したいと考えていましたが、Hostのクモガタウミウシがなかなか手に入りませんでした…(決して珍しいウミウシではありませんが)

 

それが、この4月に、複数のクモガタウミウシが手に入り、およそ2年ぶりに飼育を再開することができました。

ところが、しばらく様子を見ていたのですが、今回はバナナムシは全く出現しません。

寄生されていなかったか…と諦めかけた矢先。

 

本日、出勤したら水槽の中にバナナムシのコクーン(繭)を確認!

どうやら、私が休みだった水曜か木曜日にウミウシから出てきて繭になった様子です。

2つあった繭のうち、新しい方の皮を剥いで中身を確認してみると…

繭を作った直後だからか、まだバナナムシの姿をしていて、ゆっくりと這い回ります。

おそらく、このまま放置しておけば、再び繭を作りはじめるのではないでしょうか…

 

前回は繭以降の観察ができなかったので、今回は、どのように変化していくのか(産卵するのか)確認できれば良いのですが…

しばらく観察を続けていきます。

 

ちなみに、バナナムシの繭はへんな生きもの研究所にあるクモガタウミウシ水槽内の石の上に載せてありますが、小さくてわかりにくいと思います…

【飼育研究部 森滝丈也】

フクロムシのエキステルナが崩壊しました

2017年7月 18日(火曜日) 筆者 もりたき

へんな生きもの研究所で4月からフクロムシを展示しています(ヒシガニに寄生)

フクロムシは体節構造を全く持ちませんが甲殻類の一員で、同じ甲殻類であるカニやエビなどに寄生します。

フクロムシ(矢印)4月10日撮影

フクロムシの名の元になった袋状の部分は生殖器官です。

ここで、寄生生物フクロムシのライフサイクルのおさらいを…

前回も紹介しましたが、実はフクロムシの生活史はなかなかユニークです。

 

フクロムシの幼生はカニの体表に取り付くと、ケントロゴン幼生という形態になります。

そしてケントロゴンはカニの体に針を刺して中身だけカニの体内に侵入します。

これがバーミゴン幼生。

バーミゴンはカニの血流に乗ってお腹あたりに到着すると、そこの血管(血洞)に付着して、そこからどんどん根を伸ばしていきます。

そして最終的に生殖巣である袋を作り、カニの外側に飛び出してくるのです。

つまり、カニの中にはフクロムシの【根】が張り巡らされているわけです。

 

さて、そんなフクロムシですが、3ヶ月ほど順調に飼育を続けていましたが、先日、袋(エキステルナ)が崩壊していることに気がつきました。

飼育開始から今までホストのヒシガニは順調にエサを食べていましたが、エキステルナが破れたのと期を同じくして、急にエサを食べなくなりました。

これは、もしかしたら脱皮が近い?

おそらくカニの体内にはフクロムシ本体のインテルナ(カニの体内に寄生)が残っているはずです。

脱皮した後にまた袋(エキステルナ)が育って体外に出てくるのでしょうか?

楽しみです。

また、フクロムシに寄生されたカニがオスの場合、脱皮を繰り返す度に体や行動がメス化していくことが知られています。

このヒシガニもオスなので、脱皮したらどういう姿になるのか…こちらも興味があります。

これからも観察を続けて行きます。

【飼育研究部 森滝丈也】

メダマウオノシラミ

2017年7月 16日(日曜日) 筆者 もりたき

現在、へんな生きもの研究所で飼育中のメダマウオノシラミ Rocinela oculata が調子良好(オオグソクムシ水槽で飼育中)

この個体は今年の5月に熊野灘の底引き網で採集したものですが、過去に入手した個体はすべて数日で死亡したのに対して、既に2ヶ月も生存しています。

 

こちらの画像はすぐに死亡した3月採集個体。

こちらが長期飼育記録更新中の5月の個体。

特に大きな違いがあるようには見えません。

メダマウオノシラミは半寄生性で、魚の体表に取り付いて体液を吸い、満腹になれば魚体から離れて海底に落ちて消化を待つという習性を持ちます。

毎回、網にかかる個体は魚の体液を吸った直後なので、お腹がパンパン。

消化するまでしばらくは海底で自由生活を送るようです。

腹側から見るとこんな感じ。

ちなみにメダマウオノシラミがどのような魚に、どうやって取り付くのかといった観察・研究報告はないようです。

選択性があるのか?ないのか?

どうやらこのあたりの行動については、まだ明らかになっていないようですね。

 

現在飼育中の個体がお腹をすかせて(まだしばらく先の話になると思われますが…)いつか水槽内で摂餌行動を見せてくれれば面白いのですが…

【飼育研究部 森滝丈也】

 

7歳になりました

2017年7月 10日(月曜日) 筆者 もりたき

コーラルリーフダイビングゾーンの育成水槽で飼育中のタバネサンゴが、本日7歳の誕生日を迎えました!(2010.7.10孵化)

実は、このタバネサンゴは和歌山県の串本海中公園センターさんで繁殖した個体を5年ほど前に譲渡していただいたもの。

串本海中公園センター(以下、串本さんと略)ではこれまでに何種もの造礁性サンゴの繁殖に成功しており、タバネサンゴも20年近く前に繁殖に成功しています。

 

タバネサンゴの卵はゴマ粒のようなプラヌラ幼生となり、しばらく海中を泳いだあとに適当な場所に着底してイソギンチャクのような姿をしたポリプになります。

このポリプが次々と増殖していくことで、サンゴの群体は大きくなっていきます。

 

水槽内でサンゴがどのように成長するのかまだまだデータ不足です。

画像を比較して、この2年間(2015-2017年)の成長を観察してみました。

【群体の中でよく目立つ綺麗な蛍光グリーンのポリプ4つ(a~d)を目印にしました】2015年から2016年の間でbとdのポリプは消失してしまいました…

興味深いのは、蛍光緑ポリプよりも通常色ポリプの方が成長ははやいようで、群体の右側の成長が著しいことがよくわかります。

 

そして、今年のようす。

この1年間でいつの間にかcのポリプも消失していました…(cの上側はタバネサンゴが岩から落下した際、大けがをして死亡した箇所)

2016年の画像と比べると、群体の右側がさらに成長しているのがわかりますね。

 ちなみに、串本さんの報告では、水槽内で育ったタバネサンゴは孵化後7年で産卵を開始(配偶子放出)したそうです。

同じ7歳を迎えた当館のタバネサンゴも、今年うまくいけば産卵するかも…淡~く期待しています。

(ちなみに、タバネサンゴは雌雄同体ですが、受精には複数個体がいないと受精しません。万が一、産卵したとしても鳥羽にはタバネサンゴは1つしかいないので受精はしません)

【飼育研究部 森滝丈也】

アラサキガンガゼでした…

2017年7月 9日(日曜日) 筆者 もりたき

7月15日スタートの夏イベント「超危険生物水族館」。

準備作業も大詰めです。

 

さて、このイベントで展示予定のガンガゼ(県内で採集し、現在、予備水槽で飼育中)について先日の飼育日記で紹介しましたが、その中で「実はガンガゼとアラサキガンガゼの2種類がいます」と書き込みました。

ところがどうも間違いだったようです。

 

先日、飼育日記を読んだガンガゼの研究者さんからご指摘のメールをいただきました。

その方によるとガンガゼと紹介した2個体は両方ともアラサキガンガゼのように見えます…とのことでした。

 

その時の画像はこちら…

ガンガゼとアラサキガンガゼはどこが違うのか?

次の3つの特徴を全て満たす場合はガンガゼだそうです。
①肛門が黄色
②青い模様が点
③間歩帯に明瞭な白い点がある

私は①と②だけでガンガゼだと判断していました。

あらためて調べ直すと、採集してきた個体は全て「アラサキガンガゼ」でした…

 

では、いわゆる本当のガンガゼは鳥羽水族館では見る事ができないのか…?

そこで、コーラルリーフダイビングゾーンの水槽で飼育中の個体も確認してみました(1998年と2000年に漁師さんからいただいた計6匹のうちの生き残りの1匹、飼育歴17-19年)

結果、この個体はガンガゼの3つの特徴「①肛門が黄色②青い模様が点③間歩帯に明瞭な白い点ががある」がはっきりとわかりました。

これは、まさにTHE・ガンガゼ。

この個体が鳥羽水族館唯一のガンガゼだと判明しました。

夏休みのイベントではこの個体は展示しませんが、コーラルリーフダイビング水槽(ニシキエビのいる水槽)にいるので、来館時には是非ご覧下さい。

【飼育研究部 森滝丈也】

 

朝のセレナ。

2017年7月 8日(土曜日) 筆者 りゅー

スナメリの人工哺育が始まってからはバタバタで

セレナの水中写真がなかなか撮れずにおりましたので・・・

今回はプールサイドからのセレナをお届けします!!

 

セレナは朝よく近寄って来て、かまってちゃんなんです。

水温を計測中も邪魔しに来て、結局かまってあげることも多々あります。

決して仕事をサボってるわけではありませんよ!

担当動物とのコミュニケーションは大事です!!

 

どんな感じで寄ってくるのかというと

ふら~

あっ。

だれか来た~

だれですか~?

じーっ

この「じー」っと見る目がカワイイんですよね。

おでこなでてもいいよー

と言わんばかりに水面からおでこを出してきます。

こんな顔で見つめられたら、かまってあげたくなりますよね^^

なでなでしてあげるとご満悦!

大きく開く鼻・・・

吸い込まれていきそうな勢いです!

ひとしきりなでなでして、水槽の前へ回ると

大あくびしてました!!!

ぜひゆっくりとセレナを見に来てください!

夏の日射しで明るい写真が撮れるかも?!

セレナを見る時は朝がオススメですよ~!

お待ちしてます!!

 

た~なば~た、た~なばた~。

2017年7月 7日(金曜日) 筆者 ともちゃん

 

どうもどうも、こんにちは。ともちゃんです。

台風一過の鳥羽には暑さが戻ってきております。

 

さてさて今日は七夕ですね!

織り姫と彦星が1年に1度会うことができるという

大変メルヘンチックなお話しで有名ですね。

 

鳥羽水族館の織り姫(クウ)と彦星(ポウ)は

だいたいいつも一緒にいます。笑

しかも、織り姫がもう一頭いますから

ポウちゃんはとても幸せ者です!

 

と、言うことで…。

書いてもらいました!

「第1回!あなたのお願いなんですか!?」

↑来年もやりたい。笑

 

ともちゃんの願い事は「セイウチになりたい(3日間だけ)」!

いくらセイウチを担当してるからと言って

彼らの気持ちが100%理解できるわけではありません。

3日間セイウチになれれば、少しはセイウチ語が

話せるかもしれない!という淡い期待も込めて。笑

 

まえちゃんの願い事は「身体強健、子宝成就」!

飼育員とて会社員ですからね。

自分の健康を願うことは当然です!

そして、セイウチの未来もお願いするあたりがさすがです!

 

いまちゃんの願い事は

「ポウちゃんの体にあるイボと、ぼくちゃんの足にあるイボを治して下さい。」

切実ですね。笑

自分の事をぼくちゃんって言うところがいいですね!

 

さてさて、願い事が揃いました。

ツララちゃんに持ってもらいましょう!!

 

 

一日一日、セイウチ達に感謝して

願い事が叶うように頑張っていきたいですね(*^_^*)

また、皆さんの願い事も叶えられるような水族館を目指します!

 

自分たちだけじゃなくセイウチ達の願いも

叶えられるように努力する!!

これが、ホントのお願いかも知れませんね。

 

それでは皆さんもよい七夕を!

 

 

 

 

 

p.s6月のアンケートを見ていたら嬉しい内容が!

始まる前からたのしめてよかったです。

前説のことかな??

皆さんの感想、励みになります!

絵がセイウチだったら言うこと無しです!笑

 

 

 

すくすく成長中☆ パート4

2017年7月 5日(水曜日) 筆者 ろむ

皆さん、急に暑くなって夏バテしてないですか??

この暑さがあと2カ月も続くのかと、途方にくれている ろむ です。

 

さぁ、今回はパート4!!

どんなお話かというと… もうホームページを見た方いるかもしれませんが、

 

本日7月5日…… フンボルトペンギンの2羽の赤ちゃん 展示デビュー しました!!!!

今まで親鳥と一緒に巣の中のいて、なかなか皆さんに赤ちゃん達の姿を見て頂けませんでしたが、

Lコーナー水の回廊のカワウソ横にある展示水槽で一般公開を始めました。

そして、名前も決定しました☆

プロフィール

名前:さつき

生年月日:2017年5月28日

性格:怖がりで、引っ込みがち… なにかひっつくのが大好き♡

見分けるポイント:右のフリッパーに茶色のタグが1本ついています!!

プロフィール 名前:ナッツ

生年月日:2017年5月31日

性格:おてんばで、好奇心旺盛☀ 怖いもの知らず(笑)

見分けるポイント:右のフリッパーに茶色と白のタグがついています!!

 

まだ慣れない環境で奥の方にいることもあると思いますが、その時はそっーと見守ってあげてください(*^_^*)

これからは自分で餌を食べる練習や泳ぐ練習… まだまだ色々なことが待っています!

さつきとナッツの成長していく姿をどんどん書いていきたいと思いますので、今後もお楽しみに☆☆

 

それでは、みなさん  また会える日まで  さようなら~

 

 

さすが怖いもの知らずのナッツ、ガラス越しの先輩ペンギンに興味津々(笑)

ビワガイ展示しました

2017年7月 4日(火曜日) 筆者 もりたき

予備水槽にいた【ビワガイ】をへんな生きもの研究所で展示してみました。

ちょっと変わった形をした巻貝で、その名の通り果物のビワかイチヂク(英名ではfig shell イチヂク貝)のように見えます。

上から見るとこんな姿。

ビワガイは収集家にはけっこう人気のある貝のようですが、貝殻だけではなく生きた姿もなかなかキュート。

今回、水槽に展示して初めてその魅力に気が付きました。

普段、貝殻は布団のような大きな外套膜に覆われています。

貝殻が外套膜に覆われていながら、腹足も発達している巻貝ってあまり見たことがないような気がするなぁ。

そして、眼がキュート!

このかわいらしさは今までに見た軟体動物の中でもかなりの上位クラス(笑)

リーゼントのように飛び出ている部分は「水管」で、ここから海水を取り入れて呼吸しています。

ところで、このビワガイはナマコを餌にしているそうです。

おそらく丸飲み…

明日あたりナマコを与えてみよう…

 

こんなかわいいビワガイを見に、是非、へんな生きもの研究所にお越しください。

【飼育研究部 森滝丈也】