タイノエがいました

2021年9月 20日(月曜日) 筆者 もりたき

先日、去年の秋生まれと思われる小さなチダイが入館しました(体長58mm)。よくよく見ると上顎にタイノエが付いているじゃないですか!うひょー!こんな小さなチダイに寄生しているタイノエなんて初めて見ました。

タイノエは魚の体表や鰓腔、口腔に寄生するウオノエ科の一種で、マダイやチダイ、ヒレコダイ、アカメバルに寄生することが知られています。他の多くのウオノエ類と異なり、口蓋側(上顎)に取り付くスタイルが特徴的です。

口にいるのは気持ち悪いだろうと、今回は取り除きましたが、よくよく見ると、何と!オスもいるじゃないですか!今回のタイノエペアはメスが体長14.0㎜、オスが体長4.4㎜でした。

ちなみに、ウオノエ類は水中を泳ぎ回ることができるマンカ幼生の時に宿主の魚に取り付きます。先に取り付いた個体がメスになり、遅れて到達した方がオスになると言われています。

今回のオスは体にまだ色素胞が残り、7対目の歩脚ができたばかりの様子(幼生は6対しか歩脚がありません)で、寄生して間がないようでした。

ちなみに、最近の研究によりタイノエの寿命は最長6年ほどだと考えられていて、大きな個体だと体長50mmほどにもなるそうです。そんなビッグなタイノエは大きなサイズの魚から見つかるので、皆さんも大きな鯛を食べる機会があるときは、是非大きなタイノエを探してみてください(見つけたら教えてくださいね)

【飼育研究部 森滝丈也】

「やまおかの推し魚」第8回 マツカサウオ

2021年9月 19日(日曜日) 筆者 やまおか

やまおかの推し魚、今回はマツカサウオです!

マツカサという名前の通り、体の模様が「松ぼっくりのかさ」のように見えるオシャレな魚です。

英名も「Pineconefish」と付けられ、Pineconeは松かさという意味の英語なので、和名でも英名でもマツカサウオという、世界共通の松ぼっくり魚なのです。

この模様は1枚の鱗が黒で縁取られることで形作られています。

そしてなんと言っても、この魚、とてつもなく硬いです。

鰭と眼以外は本当にカッチカチです。

おでこの部分もこんな感じ。柔らかさが微塵も感じられません。

さらに、背びれと腹びれにはとても強靭な棘が備わっています。

また、1枚1枚の鱗には小さな棘もあり、刃のついた鎧を身にまとったような魚です。

まさに天敵から身を守ることに特化した魚と言えるでしょう。

 

ちなみにそんな最強の防具を備えたマツカサウオですが、食べると美味しい魚です。

カッチカチの体のせいで調理がなかなか難しく、食べる機会はあまりないかもしれませんが、強固に守られた身詰まったうまみをお試しください。

 

【飼育研究部 やまおか】

 

雲のような存在

2021年9月 19日(日曜日) 筆者 ろっきー

幼い頃、雲へ乗れると本気で信じていました、ろっきーです。

しかし実際は掴む事すらできなくて、、知らぬが仏ってこういう事?

この子達はへんな生きもの研究所のアマモ水槽で暮らす【マナマコ】で、雲のようにゆっくりと動き、底砂をキレイにしてくれる心穏やかな仏様のような存在です。皆さんが良く知る普通のマナマコは、茶色っぽい地味な色をしていますが、この二匹は珍しい事に白色と黒色をしています。「雨雲」と「羊雲」みたいですね。

でもそんな仏様がとうとう本性を見せたのです。こちらがその犯行現場。

実はマナマコの下に、ある魚のお家があるんです。

こちらがその家主。【ナベカ】と言うとても可愛い魚で、普段は水槽内に沈めた貝殻を棲み処にしています。

水槽内を探しても姿がありません。恐らく家(貝殻)の中に閉じ込められてしまったようです。何か悪い事でもしたんでしょうか。仏様は三度までは許してくれるはずですが、、笑

今だから冗談を言えますが、実際この場を目にした時、お地蔵様のように固まってしまいました。

でも大丈夫。僕の勘違いでした。よく見てみると、、

ナイスひょっこり!

白くて柔らかいものに触れたくなるのは人間だけではないようですね。

 

【飼育研究部 ろっきー】

イトマキヒトデの色

2021年9月 19日(日曜日) 筆者 もりたき

先日、イトマキヒトデの腹側はなぜオレンジなのですか?とのご質問を頂きました。

お、これは、なかなか返事に窮する質問ですね。

確かにイトマキヒトデの腹側は鮮やかなオレンジ色をした印象が強いですよね。でも、実はイトマキヒトデに限らず、多くのヒトデで体色は(特に腹側)淡褐色からオレンジ色、赤色をしている場合が多いのです。その中で、とりわけイトマキヒトデの腹側の色が強く印象に残るのは、背面が緑や青など濃い色をしているので、その対比で目立つからではないでしょうか(補色効果)

このヒトデの赤、オレンジ、黄などの色はカロチノイド系の色素によるもので、この色素がタンパク質と結合すると青、緑、紫などに変化するそうです。

イトマキヒトデの背面が濃い色をしているのは身を隠す意味もあると思いますが、カロチノイドは抗酸化作用が高いことが知られているので、ヒトデ自身の健康を保つ役割もあるんじゃないかと個人的には予想しています(真偽不明)

こちらは当館で飼育している結構大きなイトマキヒトデのイトちゃん(輻長72㎜:盤の中心から腕の先端までの長さ)

腹側

で、こちらはマッキー。鳥羽水族館最大(輻長80㎜)です。

あ、名前は今、適当に付けました(笑)

【飼育研究部 森滝丈也】

イルカツアー開催!

2021年9月 18日(土曜日) 筆者 しんたに

みなさんこんにちは。台風も過ぎ去り、久々に青空を見た気がするしんたにです。

さてさて、 9/20 (祝月) 10:00より前回好評だったイルカツアーがまたまた開催されます!

その名も、、【イルカ好き集まれ!!クイズあり、学びあり!飼育員に聞く、鳥羽水族館のイルカツアー】!!

鳥羽水族館のオンラインツアーでは、いままで「スナメリ」を取り上げてきましたが、今回はそれにプラスして「イロワケイルカ」もご紹介するというツアーになっております。

解説者として、入社以来○○年もの間イルカの飼育に携わってこられた担当者を迎えての開催です。

じつは鳥羽水族館では7/11にイロワケイルカの赤ちゃんが誕生しており、いまもすくすく成長中です。その様子や誕生秘話も聴かせて貰えるはず・・・!!

イルカをもっと詳しく知りたい方はもちろんご満足できる内容だと思いますし、そんなにイルカのこと知らないなぁ・・・という方も、水の中を生き生きと泳ぐイルカの姿にきっと画面越しながらも癒やされるはずです!

 

ツアー詳細は下記リンクより ↓↓

イルカ好き集まれ!!クイズあり、学びあり!飼育員に聞く、鳥羽水族館のイルカツアー | HIS オンラインツアー (his-j.com)

ぜひふるってご参加ください!

【飼育研究部 しんたに】

 

オオグソクムシ入館しました

2021年9月 18日(土曜日) 筆者 もりたき

みんな大好きオオグソクムシ!私も好きですYo!

もちろん苦手な人も一定数いるでしょうから、まぁ、好きの押し売りということでご容赦ください(笑)

さて、先日、オオグソクムシ5匹を購入したのですが、届いた個体を見ると…何と!

3匹は覆卵葉が伸びたメスでした。これはちょっと珍しい。

グソラーである皆さんは、すでにご存知でしょうが、オオグソクムシのメスは交尾後脱皮すると第1~5歩脚の付け根にある覆卵葉が伸びます。それが重なり合って保育嚢が作られ、卵(と孵化した幼生)はこの中で保護されるのです。

今回の新入り3匹の保育嚢は空っぽだったので、どうやら直前まで卵(幼生)を保育していたようですね。

ちなみに、私はこれまでの経験から、オオグソクムシは初夏に交尾・産卵して、翌年の夏に幼生が孵化するのではないかと推測しています。

でも、まだまだ情報不足。なので、この件に関して何かご存知の方がいればタレコミお待ちしています(笑)

あと、ダイオウグソクムシもそうですが、オオグソクムシはメスの方が強く丸まるような気がしますね。くいっ

【飼育研究部 森滝丈也】

波を乗りこなすヨダレカケ

2021年9月 18日(土曜日) 筆者 つぼんぬ

こんにちは。

今年の夏のイベントの「TOBAリンピック ~あつまれ!水中のアスリート~」は9月20日まで開催予定ですが、終盤になって気になる選手がいるんです。

それはヨダレカケ選手!!

ろっきーさん手書きのかわいいイラストともにサーフィンの選手として出場しています。

口の下側にある吸盤が赤ちゃんの”よだれかけ”に似ていることからこの名前が付いていますが、皮膚呼吸が出来るので陸にいることが多いようです。

イベントが始まった当初はなかなか水から出てきてくれなかったのですが、8月になると板の上に乗っている姿を見かけるようになりました。

最近では2匹で上陸していることも・・(ちなみにサーフィンの板もろっきーさんお手製です!)。

慣れてきたのかなあと思っていましたが、さっきろっきーさんに聞いたら、餌を板の上に置いているからだそうです。

なるほど~。

餌を待ちながら上手に波を乗りこなすヨダレカケでした~。

【飼育研究部 つぼんぬ】

オウムガイ好きを増やしたい

2021年9月 14日(火曜日) 筆者 もりたき

先週の土曜日、館内でアンモナイトとオウムガイ好きの姉弟(小学3年生と5歳)とお話する機会がありましたが、後日、2人からこんな素晴らしい絵が届きました。特徴をよく捉えていますね。

さて、そんなオウムガイ。

祖先は古生代カンブリア紀の終わり(約5億1000万年前)に出現しました。その姿は現生のものとは異なり、まっすぐな殻と5対(10本)の腕、発達した目を持っていたと考えられています。

実は、殻以外の化石として残らない軟体部は過去に鳥羽水族館が協力した研究結果から推察されたものです。

過去の共同研究から、オウムガイの胚は将来、腕となる原基を5対持っていることが明らかになっていて、これが発生の過程で頭部を覆う頭巾や腕に分化していきます。このことからオウムガイの祖先は5対の腕を持っていたと推察されました(ちなみにオウムガイの腕はオスで66本、メスは90本前後もあります)。

また、オウムガイの目はレンズを持たない「ピンホール」構造ですが、遺伝子を調べた結果、レンズを形成する遺伝子自体は存在するもののそれが発現しないためにレンズが作られない可能性が示唆されました。このことからオウムガイの祖先は発達した目を持っていたが、進化の過程でレンズが消失したと推察されたのです。

このようなことをわかりやすく伝えてオウムガイ好きを増やすことは、私の大きな使命だと常々感じています(笑)

【飼育研究部 森滝丈也】

最近のコバタンは。

2021年9月 12日(日曜日) 筆者 いとう

みなさんこんにちは!いとうです。

少しずつ秋らしくなってきましたね。

さて、現在も夏イベントは継続中ですが、バードショーは残念ながら緊急事態宣言の発令に伴い8月末で終了となってしまいました。

 

ですが!

コバタンのポーポとあーちゃんは相変わらず元気に過ごしています。

バックヤードでの放鳥も毎日の日課です。

 

そして時間や場所は特に決まっていませんが、館内のお散歩も行っています。

最近はポーポだけでなくあーちゃんもお散歩に出られるようになりました!

写真撮影もオッケーなので、見かけた際はぜひ声をかけてくださいね♪

 

【飼育研究部 いとう】

オオクモヒトデ水槽の正体不明イソギンチャク

2021年9月 11日(土曜日) 筆者 もりたき

へんな生きもの研究所にあるオオクモヒトデの水槽にきれいなイソギンチャクがいます。いわゆるイワホリイソギンチャクの仲間だと思いますが、種類は元よりこのイソギンチャクがいつ、どこからやってきたかも、実ははっきりしていません。

おそらく海外から(インドネシア?)岩にくっ付いてこっそりと侵入したんじゃないかと思われます。

その存在には1,2年前から気が付いていましたが、岩の裏に隠れていることが多く、全く目立たない存在でした。

それが最近、色鮮やかに成長。大きく触手を広げていることが多くなり、水槽の中でかなり目立ってきました。

少し紫がかった触手の模様が、美しいですね。

ちなみに、半年ほど前はこんな感じでした↓↓(岩の裏に隠れていた頃)

今と比べるとずいぶん弱々しい印象ですね。

2021.02.05撮影

このイソギンチャクが今年の春頃から成長した背景には、同居する5匹のオオクモヒトデの存在が影響したのかもしれません。

4月から同居していますが、このオオクモヒトデ達は何しろ活発で、餌であるオキアミをモリモリ食べています。

それでこのイソギンチャクにおこぼれ(残餌あるいはクモヒトデの排泄物など)が回ってくる機会が増えたのではないでしょうか。

それが成長の一因になったのではないか…と。

いずれにしても、今後の成長が楽しみですね。

【飼育研究部 森滝丈也】