去年の夏休みの宿題を持って

2018年8月 8日(水曜日) 筆者 もりたき

時々、夏休みの宿題でオウムガイやダイオウグソクムシなどの話を聞きに来た小中学生が完成作品を持って翌年にまた来館してくれることがあります。それも遠方から。学芸員冥利に尽きるなぁ。

昨日は千葉県から小学6年生(男子)がご家族と一緒に来館されました。持参した去年の夏休みの宿題が素晴らしくて感涙です…。

実は彼は最初、他の水族館を訪問したのですが、そこでオウムガイなら鳥羽水族館と紹介されて遠路はるばる鳥羽に来てくれたのです。これにも感動!

お礼として羊毛フェルトのオウムガイをプレゼントしてもらいました。口器も漏斗もきちんと作ってあるのはさすが!..

お盆明けには福岡からクマムシだけ(!)を目的に小学生が訪ねてくる予定です。

こちらも楽しみです。

【飼育研究部 森滝丈也】

熱帯夜の特効薬、夜の水族館!

2018年8月 6日(月曜日) 筆者 ケガニ

この8月3日から、いよいよ鳥羽水族館のナイター営業が始まりました!
ひんやりとエアコンの効いた水族館を探検すれば、暗がりの向こうには大
あくびのジュゴンが♡ 反対に夜が大好きなイセエビは、隠れていたのが
わらわらと出てきて水槽は大混乱(笑) instagramで大人気のラッコちゃ
んも独り占めでした(*^^)v

7月20日にリニューアルオープンした「海獣の王国」に足を運ぶと、ト
ドのキンタくんがチューブの真横で寝ていました。ガラスがなければ、コ
ワくてここまで寄れないけれど、チューブのおかげでひげもじゃの寝顔に
大接近できました。

そして、この日大人気だったのがフクロウとのふれあいコーナー。キョロ
っとした目がとてもキュートで夜の水族館にはぴったりです。8羽が登場
して、みなさんと次々記念撮影を楽しんでいましたよ。もちろん無料です
ので気兼ねなくご参加ください!

マナティの水槽前にはほっこりした空間がありました。画面中央のお父さ
んとお子さん、いったいどんな会話を楽しんだのでしょうかね。みなさん
も、気になる誰かとの素敵な思い出づくりにお越しください。

ウミホタルの発光実験と奇跡の森バックヤードツアーも絶賛開催中
8月は残り6回! 詳しくは鳥羽水族館HPをチェックしてください

【けがに】

パラオオウムガイ№85が産卵しました

2018年8月 6日(月曜日) 筆者 もりたき

先日の火曜日、給餌後に交接しはじめたパラオオウムガイ№88と№85

交接の際、オウムガイ類のオスは丸い精包をメスに渡しますが、この精包の中に精子が入った細長いカプセル(精莢)が入っています(画像はオオベソオウムガイのもの)

交接直後のNo.85を確認すると、受け取った精包はすでに破れてしまったのか中身の精莢だけが見えていました(矢印)

交接後の精莢はいつもきれいにウネウネと折りたたまれていますが、どうやっているのかホントに不思議~(笑)

それから4日後の土曜日。再び確認すると精莢はかなり崩壊していました(矢印)

この精莢の中にある精子が卵と受精するわけですが、果たしてどのタイミングで卵に到達するのでしょうか?実はまだハッキリとはわかっていないようです(私は排卵した卵を産み付けるタイミングじゃないかと予想していますが)

これは近いうちに産卵するんじゃ…?そんな風にぼんやりと考えていたところ、次の日の朝、水槽を見ると、№85が産卵しているじゃないですか!産卵直後のようです。おぉ!これはなかなか見る機会がない貴重なシーンです。しかも観察/撮影しやすい位置だし!

今回、№85は一度に3ヶ産卵しました。

…というわけで、今回、交接から産卵まで、初めて一連の流れを確認することができました。

【飼育研究部 森滝丈也】

よだれかけとハゼ

2018年8月 6日(月曜日) 筆者 やまおか

暑い夏が続いておりますが、みなさんいかがお過ごしでしょうか。

鳥羽水族館では現在「もっとへんないきもの夏スペシャル」がヒレアシ祭りと同時開催されています。

そこには僕の中のキュート魚ランキング上位に位置する魚を展示しています。

 

その名も・・・ヨダレカケ

名前からしてもうカワイイ魚ですね。

ヨダレカケは名前の由来でもある口の下側にある赤ちゃんの「よだれかけ」のような吸盤で貼り付いて、基本的に水中から出てきて生活しています。

陸場に張り付いてこっちを見つめてくる姿がとってもキュート。

 

そういった主に陸場で生活するという生態は「ミナミトビハゼ」などのハゼと似ています。

ですがヨダレカケはハゼの仲間ではありません!

ハゼの仲間は腹びれが吸盤になっていますが、前述のとおりヨダレカケは口の下側が吸盤になっているという点で異なっています。ヨダレカケよ、なぜ口で張り付こうと思ったのか・・・

 

ちなみに「もっとへんないきもの夏スペシャル」にいるハゼはコイツ!!

Name is ワラスボ。

どう見てもエイリアンですが、こんな姿でも腹びれが吸盤になっているハゼの仲間です。

実は美味しいらしい・・・

 

他にも色々なへんないきものが夏限定で展示中です!

水槽の上には手書きのおもしろい解説版もあるのでもうこれは見に来るしかないですね!!!

【飼育研究部 やまおか】

ひと味違う?アマガエル

2018年8月 5日(日曜日) 筆者 あおくら

みなさんこんにちは!暑い日が続きますね…

水族館の中はひんやり涼しいですが、夏の日射しがさんさんと降り注ぐ「奇跡の森」コーナーからお知らせです!

先日までアカメアマガエルの子ども達を展示していた場所に、透けて見える、色彩変異のアマガエルを展示することになりました。

皮膚の色が透けて、通常のニホンアマガエルとは違います!この子たちは、三重県松阪市在住の方が庭先で見つけ、当館へ寄贈していただきました。

アマガエルの体色は、皮膚の表皮と真皮の間で3層に配列する色素細胞によって決まっていて、上から順に、黄色素胞、虹色素胞、黒色素胞の層に分かれています。虹色素胞は短波長の光を反射する機能があり、私たちの目には青色に見えます。

通常のアマガエルは黄色と青色が合わさって緑色に見えますが、この子は虹色素胞に光を反射する機能がないため、このような体色となっています。

眼球の上部分を覆う皮膚も透けているため、通常よりも目が大きく見えます。透明な皮膚とまん丸な目、ひと味違ってかわいらしいですね!

通常のニホンアマガエルも一緒に展示しているので、ぜひ直接見比べてみて下さいね!

アカメアマガエルたちは大きく成長し、展示水槽へデビューするべく出番待ちです…そちらもお楽しみに!

【飼育研究部 あおくら】

 

ヒタチオビの仲間が孵化しました

2018年8月 4日(土曜日) 筆者 もりたき

昨日、6月下旬の沖合底引き網で採集したヒタチオビの卵嚢から5匹の稚貝が孵化しました(ニクイロヒタチオビ?)。鳥羽水族館でヒタチオビの仲間の孵化は今回が初めてとなります。

同じような卵嚢は3年前から見つけていましたが、長らく正体不明…今回、かなり発生が進んだ卵嚢を採集することができたので正体が明らかになりました。

正体が判明してからずっと孵化を楽しみにしていました。

昨日の朝、空になった卵嚢を発見した時、付近に稚貝の姿は見当たらなかったので少し焦りましたが、すぐに底砂の中に隠れた5匹を見つけることができました。

ちなみに、生まれたばかりの貝は親と異なる形をしていることが多く、成長に伴って親と同じ姿になります。

貝は種類によって生まれた頃の貝殻(胎殻)がはっきりと残るものがいますが、このヒタチオビの仲間もそう。殻の先端にポッチのような胎殻がはっきりと残っています。

今回の稚貝はどれぐらいで親と同じ姿になるのでしょうか。調べた限りヒタチオビ類の孵化・成長に関する報告は見当たらないので、今後の成長が楽しみです。

【飼育研究部 森滝丈也】

ミズダコの近況

2018年8月 4日(土曜日) 筆者 もりたき

7月上旬にミズダコが産卵したと書き込みましたが、メスは今も抱卵中です。

発生状況が気になったので、先日、潜水掃除ついでに観察してみましたが、大きな変化はありません。

果たして無事に発生が進んでいるのか…?少し心配になりました。

そんな中、飼育日記を読んだ女性のお客様に館内でミズダコの卵の状況について尋ねられたと、飼育スタッフのつぼんぬさんから聞きました(私はちょうど別の水槽の潜水掃除中で対応できませんでした)

そこで、あらためてミズダコの卵発生について過去の報告(志摩マリンランドさんで孵化・育成記録があります)を調べてみると、水温14℃の環境下であれば、孵化まで半年程かかり、産卵後60日ほど経過すれば卵の中に朱色の目が確認できるようになると記述されていました。

当館の飼育水温は11-13℃なので、発生速度はもう少し遅いかもしれませんが、どうやら産卵2ヶ月ほど経過しなければ発生の状況はわからないということみたいですね。

今、産卵から1ヶ月経過したところなので、9月ごろになれば状態変化が目に見えるようになるのではないでしょうか。今回の卵が順調に発生しているのであれば、孵化は来年の1月か2月ごろでしょうか。

【飼育研究部 森滝丈也】

パラオオウムガイの交接

2018年7月 31日(火曜日) 筆者 もりたき

オウムガイ類の交接時間は比較的長時間(数時間~)に及ぶ、との報告があります。それなら交接中の個体を見かける機会は多いように思えますが、実際のところ、当館では交接を見かける機会はあまりありません(特にパラオオウムガイ)

受精卵も得られているし、交接しているのは確か。それでも目にする機会が少ないということは…実際はあっという間に終了しているからではないか?そう予想していました。

そんな中、今日の給餌の後、No.88(オス)とNo.85(メス)が交接を開始しました。ちなみにオウムガイ類のオスは交接腕を使ってメスに精包を渡し、メスはその精包をポケット状のヴァランシエンヌ器官で受け取ります(その後の受精過程は不明)

さて、No.88とNo.85の交接ですが、案の定10分程で終了しました…。果たしてここんな短時間で交接はうまくいくのでしょうか?

そこで、以前から疑問を確かめてみることに。

No.85を手に取り、正面からそっと観察すると…

おぉ!口の下にあるヴァランシエンヌ器官に精莢(精包の中身)があるではないですか!

ウネウネとしたものが精莢です(この中に精子が入っています)

状況から見るかぎり(精包の残りと思われる粘着物が残存していた)交接直後のように見えます。

今回の交接は短時間でしたが成功したようです。もしかしたら短時間であってもオウムガイは交接可能なのかもしれません。

今まで報告がないので、ひとまず備忘録としてここに記録しておきます。

【飼育研究部 森滝丈也】

ヤドカリの貝に居候する生物

2018年7月 30日(月曜日) 筆者 もりたき

先日の宿直の晩のことです。

へんな生きもの研究所の見回り中にタンカクヒメヨコバサミ(6月に底引き網で採集)が背負う貝殻…

…の中に正体不明の等脚類(ダンゴムシ、オオグソクムシの仲間)を見つけました。

種類を特定しようとしましたが、翌日の朝に見ると姿を消していました。貝殻の奥に隠れてしまったのかもしれません。

正体が明らかになるのはもう少し先になりそうです。

こんな風にヤドカリが背負う貝殻に居候する生物は何種類かいるようで、深海底引き網でも採集できます。

その中のひとつ。こちらはヨコヤホンヤドカリの貝殻を間借りするウロコムシの仲間。

ヤドカリ自身もかわいいですが、貝殻の端から顔を出すこんな居候生物を見つけると、やっぱり萌えますね(笑)

こちらを見つめるウロコムシの仲間。

【飼育研究部 森滝丈也】

トレーニングのススメ!その⑫

2018年7月 30日(月曜日) 筆者 ともちゃん

 

皆さんこんにちは、ともちゃんです。

 

お久しぶりの「トレーニングのススメ!」です。

サボっていたわけじゃないですよ!苦笑

 

強化子とは動物の喜ぶことなら何でもいいと書きました。エサやおもちゃをあげたりすることは全て動物の「刺激」になります。

もちろんトレーニングも刺激です。その刺激が多ければ多いほど動物の暮らしが豊かになるんじゃないか?と聞いたことがあります。確かにそのような気がします。

 

自然界で動物は、天敵から逃げたり、食べ物が見つからなかったり、良いペアに巡り会えたりと数え切れないほどの刺激を毎日受けて生きていますよね。その全てを動物園や水族館で再現することはほぼ不可能です。そもそも自然と人工物はかけ離れています。動物園には動物園、水族館には水族館の刺激の与え方があります。それも色々。人間が関わっているだけでも刺激です。

 

刺激をたくさん用意することで生活の質が変わったり、トレーニングの幅も広がります。色んなおもちゃを用意してみたり、色んな種類のエサを与えてみたり、個体の入れ替えやオスメスの同居、あげたらキリがありません。

 

もちろん動物に無理をさせないのは当たり前。色々試して動物たちの反応を見るのも楽しいですよ!

ただ…刺激には良いモノと悪いモノがあるのも忘れずに。

 

つづく

 

【飼育研究部 ともちゃん】