ダイオウグソクムシ№1の解剖(画像注意)

2014年2月 18日(火曜日) 筆者 もりたき

大雪の2月14日、長年の絶食で話題になっていたダイオウグソクムシNO.1が死亡しました。

絶食6年目に突入した矢先のことでした。

2007年9月の入 館 時の体重1040gに対して、死亡時の体重が1060g…食べていないのに何故か体重は減少していません。

…?

 

(画像注意)

死亡確認直後に解剖したところ、固形の未消化物は全く確認できず胃の内部は淡褐色の液体で満たされていました。

腹腔内の多くのスペースを占めているのが消化管(胃)です。

胃を含めた消化管全体に炎症、変色部位は認められず、これまで解剖したどの個体よりも状態が良いように見えました。

また、これまでの個体と比較しても特に軟組織の削痩(痩せ)は認められませんでした(餓死ではない?)。

 

歯がゆいですが、直接の死因は現在のところ不明です。

 

 

胃内部を満たしていた液体の量は約130㏄, PH7.2, 海水に比べるとそれほど塩辛くありませんが、ダイオウグソクムシ特有の臭いが少しします。。

目で確認する限り、この液体中に未消化物は認められません。

 

 

 

ところが、液体を顕微鏡で確認したところ、長さ約10μmの酵母様真菌が見つかりました。

 

 

この真菌がどこから由来したものなのか、ダイオウグソクムシの胃内でどのように作用するのか(あるいは、しないのか)、また、他のダイオウグソクムシの消化管内にも普遍的に存在するものなのか、病原性なのか、現段階では全く明らかになっていません。

 

 

ひとまずどのような種類の真菌かを特定するつもりです。

 

また、開腹する際、腹腔内から体液が流れ出ました。

体液は初めのうちは無色透明なサラサラの液体ですが、空気に触れると(?)青紫色に変色してゼリー状に硬化します。

かなりしっかりと固まるのが不思議です。

節足動物の血液色素はヘモシアニンなので、青紫色はヘモシアニンの色だと思われます。

 

 

№1に再び餌を食べさせることができなかったことは残念でしたが、6年と158日の飼育日数はおそらく国内の最長飼育記録になると思います。

インターネットなどで話題になったことでダイオウグソクムシの認知度が上がったことはとても喜ばしく、№1には感謝しています。

飼育にかかわることで私自身もこの生きものについて多くのことを知ることができました。

これからもさらに多くのことを学び、学んだことを次に活かしていきたいと考えています。

 

NO.1は現在、冷凍保存中です。