パラオオウムガイの交接

2018年7月 31日(火曜日) 筆者 もりたき

オウムガイ類の交接時間は比較的長時間(数時間~)に及ぶ、との報告があります。それなら交接中の個体を見かける機会は多いように思えますが、実際のところ、当館では交接を見かける機会はあまりありません(特にパラオオウムガイ)

受精卵も得られているし、交接しているのは確か。それでも目にする機会が少ないということは…実際はあっという間に終了しているからではないか?そう予想していました。

そんな中、今日の給餌の後、No.88(オス)とNo.85(メス)が交接を開始しました。ちなみにオウムガイ類のオスは交接腕を使ってメスに精包を渡し、メスはその精包をポケット状のヴァランシエンヌ器官で受け取ります(その後の受精過程は不明)

さて、No.88とNo.85の交接ですが、案の定10分程で終了しました…。果たしてここんな短時間で交接はうまくいくのでしょうか?

そこで、以前から疑問を確かめてみることに。

No.85を手に取り、正面からそっと観察すると…

おぉ!口の下にあるヴァランシエンヌ器官に精莢(精包の中身)があるではないですか!

ウネウネとしたものが精莢です(この中に精子が入っています)

状況から見るかぎり(精包の残りと思われる粘着物が残存していた)交接直後のように見えます。

今回の交接は短時間でしたが成功したようです。もしかしたら短時間であってもオウムガイは交接可能なのかもしれません。

今まで報告がないので、ひとまず備忘録としてここに記録しておきます。

【飼育研究部 森滝丈也】