ユミヘリのシダムシ

2015年12月 10日(木曜日) 筆者 もりたき

三重県、熊野灘の沖合底引き網漁船に乗せていただき、生物採集に出かけています。

今年は色々とミッションがあり、月1ペースの頻度。

 

展示生物の採集はもちろんですが、目的のひとつはシダムシ探し。

ここでもたびたびお伝えしていますが、シダムシはヒトデに寄生する甲殻類(フジツボに比較的近縁)です。

日本から正式に報告されているのは3種類ですが、その他に未記載種が4種類ほど知られています。きっとまだまだ知られていない種もいるはず…

 

今年は深海(漸深帯)に生息するゴカクヒトデの仲間、ユミヘリゴカクヒトデにシダムシの寄生を初めて確認しました。

ピンクのものがシダムシ。ヒトデの体腔のほとんどを占めています(ヒトデの死後に解剖)

こちらはさらに大きなシダムシ。黒いものがヒトデの内蔵。

今は、シダムシの追加標本と寄生状況確認のために(あわよくば展示も視野に…)乗船しているのですが…

ユミヘリゴカクヒトデは9月に採集 できただけで、10月、11月は空振り…採れません。

 

実は、9月とそれ以降の2回では漁をおこなった海域が違っていました。

また、10月と11月はひとつ手前の深さで網を引いていたので、ヘリゴカクの生息する水深に達していなかったのかも知れません。

 

さて。

9月以降手に入れた計11個体のユミヘリゴカクヒトデを死後に解剖したところ、シダムシが寄生していたのは6個体。

今のところ、寄生率は54% 意外と寄生率は高そうです。

 

シダムシの枝分かれした外套の中には卵(幼生)が詰まっています。

美味しそうなので、少し口にしてみましたが…生臭かったですね(笑)

【飼育研究部 森滝丈也】