風前の灯火!ロクソミトラ

2015年3月 27日(金曜日) 筆者 もりたき

たびたびお伝えしている、へんな生きもの研究所オニダルマオコゼ水槽のロクソミトラの仲間(内肛動物)の近況報告です。

単体で生活する内肛動物は、基本的に他の生物と共生生活するものだと長らく考えられてきましたが、最近は特定の寄主をを持たない「非共生種」がいることが研究者によって明らかにされました。

海水中にスライドガラスを沈めておくと、そこにたくさんの単体性内肛動物が付着するそうです。

 

へんな生きもの研究所で飼育中の【ロクソミトラの一種】は、オニダルマオコゼの体表だけではなく、水槽のガラス面やアクリルパイプの表面にも付着しているので、どうやらこの非共生種のようです。

しかし、オニダルマオコゼの体表に付着した個体の方が成長が良いように見えるので、オニダルマオコゼから何らかの影響を受けている可能性はあります。

 

ぎっしり増殖している時はこんなにたくさん!(基質は岩に見えますが魚体です)

一方、ダイオウグソクムシの脚に付着する【ロクソソメラの一種】は、選択性が強い共生種のようです。

他の場所では付着はまだ確認されていません。

ところが、最近、非共生種であるオニダルマオコゼのロクソミトラに異変が…

魚体はおろかガラス面やアクリルパイプに付着していた個体もかなりの数が消失してしまったのです…

まさに風前の灯火。

 

とりあえず緊急策として水槽に腰高シャーレを入れて、ここに付着させようかと画策。

ちょうど、オニダルマオコゼが脱皮したので(魚なのに脱皮するんですよ)その皮も拾い集めてシャーレに投入してみたり…。

脱ぎ捨てた表皮にはロクソミトラがたくさん付着しているので、コイツらがガラスシャーレに移動しないかと。

数日後、観察してみると少数の付着が確認できました。

ところが、それ以上に付着していたのが…水槽前面のガラス。

ここに小さなロクソミトラ達が散見できました。餌の珪藻で緑になった胃を見ていると癒されますね…

しばらく掃除をしないで様子を見つつ、ある程度成長したらこのガラス面から腰高シャーレへ引っ越しさせるとしましょう。

あるいは自力でまたオニダルマオコゼの体表へ戻ってくれたら、それが一番良いのですが。

はたしてどうなることか。

全滅だけは避けたいところです。

【飼育研究部 森滝丈也】