宿主が死んでも

2015年2月 28日(土曜日) 筆者 もりたき

昨日、水槽を見ると、ヤマトトックリウミグモが仰向けになって死んでいました。

数日前から少し動きが悪くなってきたことに気付いていました。…残念。

死んだのは、以前、この飼育日記で紹介した、左の担卵肢にコケムシが付着したウミグモです。

 

ヤマトトックリウミグモは頭部の付属肢が3対あり、担卵肢(3対目)は文字通り卵塊を抱えて保護する役目があります。

卵を保護するのはオスの役目で、オスだけが担卵肢を持つ種類も多いようですが、このヤマトトックリウミグモはオスメスどちらにもあります。

卵塊を保護するだけではなく、全身をグルーミングするときにも使います。

ゆっくりとしごくように担卵肢を動かして身づくろいをするヤマトトックリウミグモの動きは優雅で、見ているだけで癒されます。

 

その大事な左側の担卵肢にコケムシが付着していたのです。

その影響なのか、このウミグモは左側の担卵肢だけ動かせずにいるようでした。あるいは元々動かすことができなかったので、コケムシが付着したのかも知れません。

深海のコケムシの仲間はまだまだ未知な部分が多く、このコケムシ(Triticella 属)も貴重な種類である可能性があります。

きちんと調べるためには標本にした方が良いのですが、このコケムシ自体はまだ元気に生存しているので、このまましばらく様子を見ようかと思っています。

生きた状態の観察ができるのは水族館の強み。

宿主(ホスト)は死んでしまいましたが、もうしばらくきれいなコケムシの姿を観察したいと思います。

業務連絡になりますが…スタッフの皆さん、死んでいるウミグモは捨てないでください。