夜の水族館

2015年2月 27日(金曜日) 筆者 シミズ

夜の水族館。
日中の騒がしさはどこにもなく、ただただモーターの音と水の流れる音が静かに響き渡る。

だが、そこにまったくの静寂が訪れることはなく、生きもの達の命を繋ぐあらゆる機械が動き続ける音が今日も平穏を告げ続けている。

そんな夜の水族館を1人歩くのはどこか寂しくもあり、楽しくもあり、緊張感もある。

 

ガラスの向こうでは日中元気に動き回っていた生きものたちが静かに寝息をたてている。

水族館という存在が無ければ、普通に生きているだけでは見ることも触ることも、ましてや寝ている姿を見るなんて到底できない生きものたちを1人じめする。

そんな大切な大切な何万といる生きものたちの命を、一晩1人で守り抜く。

 

 

複雑な感情ではあるが、一晩水族館で過ごすというのは飼育係になる前からの夢でもあった。

 

 

普段見せることのない緊張の途切れた寝顔のアシカたちに微笑み、ふわぁっとアザラシがアクビをすれば自分に移り、それに1人ニヤケながら夜ふかししているラッコに「早く寝ろよ。」と呟く。

興味津々でよってくるスナメリと少しじゃれて、黙々とご飯を食べるマナティに驚きつつ、セイウチたちの寝顔に一番時間をかける。

足音に驚いたペンギンに謝りつつ、木をかじり続けるビーバーの動きに笑い、昼も夜も変わらないカピバラとにらめっこしたあと、フラミンゴとペリカンに威嚇されながら、ジュゴンの瞳に癒され、1人歩く。

 

そんな飼育係になりたかった。
そして今、私はなっている。

 

そんな私も3月で飼育係歴10年目。

今日も何万という命の重みをひしひしと感じながら夜の水族館を1人歩く。

 

1人でも多くの人間に人間以外の生きもの達の存在を伝えるために。

デジタルや紙媒体では伝わらない感動を伝えるために。

その架け橋となるために。

 

 

 

とまぁ、テクテク歩いてたらそろそろ10年目だなぁ、なんて感慨深くなりポチポチしてみました笑

この水族館のほぼ全ての場所に思い出があり、色んな感情が沸いてきます。
そんな鳥羽水族館を少しでも多くの方に見てもらうためまだまだ張り切っていきたいと思います!

これからもよろしくお願いします!!!

 

 

今夜も異常がありませんように!

おやすみなさい!