深海ウニの肛門についての考察

2014年8月 1日(金曜日) 筆者 もりたき

鏡餅のように重なる行動が見られると、たびたび飼育日記に書き込んできた深海ウニPrionechinus forbesianus

ほとんどの場合、№2(個体識別番号)が一番大きな№1の上に乗っているのですが、時々下の画像のように№2が少し小さめの№3の上に乗ることもありました。

ところが、先日、その№3が死亡しました。

4月に殻径8.0㎜だったのが11.5㎜まで成長していただけに残念です。

少し気になることがあったので、棘を取り除いて肛門周辺を観察してみました。

肛門は三角形の囲肛板でフタをされた形になっています。

 

下の画像は、在りし日の№3、№1、№2(左から)

これを見ると、№3の肛門が突出しているのがよくわかります。

どうやら肛門は可動式で突出するようです。

ちなみに№2に乗られた№1の肛門も同じように飛び出ていました。

 

ところが…これまでに観察した限り、上に乗った個体(№2)の肛門が飛び出ているところは目にしたことはありません。

もしかしたら、このウニは下側の個体の肛門だけが飛び出すのかもしれません。

(まだ断定はできませんが)

 

ご存知のようにウニの口は下方にあり、上下に重なると肛門と口が合わさる格好になるのです。

もしかしたら下の個体が排泄した未消化物を上の個体が摂餌しているのではないか?…

だから下の肛門は上の個体が食べやすいように突出している?…とか(あくまでも今のところ推測に過ぎませんが)

 

ちなみに下の画像はまだまだサイズの小さな別個体№5のもの。

この個体はこれまでに他個体と重なったことがありません(おそらくサイズがまだ小さすぎるため)

さきほど確認したら、この個体も肛門が突出させていました。

肛門を取り囲む板(囲肛板)を立ち上げて、肛門を筒状に突出させることができるようです。

この個体は成長したら(予想通り)下になるのでしょうか…

また、本当に上に乗っている№2の肛門は突出しないのか…さらに詳細に観察すれば、もしかしたら面白いことがわかるかもしれません。