Asteromyzostomum属スイクチムシ

2021年11月 30日(火曜日) 筆者 もりたき

9月から6月まで、機会を見つけて水深300m付近の底曳き網採集に出かけています。

底曳き網で珍しい生物を採集するのはテンションが上がりますが、これを展示して皆さんに見ていただくとなると、一筋縄でいかない面もあってなかなか難しい….。ひとまず展示が難しい生物は、飼育日記で紹介していくようにしています。

前回の採集では、ヒトデの歩帯溝に寄生するAsteromyzostomum属スイクチムシが採集できました。この仲間はこれまでに北極から3種、南極から2種が報告されているだけの珍しいグループですが、私は熊野灘で2015年に初確認し、翌2016年と2020年にも熊野灘の水深300mあたりから採集しています。

この熊野灘のスイクチムシが既に知られている種類なのか違うのか、詳細は今後、調べていかねばいけませんが、いずれにしても極地方以外でも見つかったことは大変興味深いですね。あらためて熊野灘の生物多様性はすごいと思います!

今回もしばらく水槽でヒトデと一緒に水槽展示に挑戦してみましたが、やはり長期間の展示は難しく…。

Asteromyzostomumスイクチムシは、バラの花びらかキクラゲのような姿をしていますが、これでゴカイなどと同じ多毛類!興味あります。ちなみにこの個体で幅1㎝ほどのサイズ。

上画像と別の個体。背面から撮影。

【飼育研究部 森滝丈也】

オトメミドリイシの成長記録

2021年11月 29日(月曜日) 筆者 もりたき

朝の見回り時のひそかな楽しみ、キイロサンゴハゼたちの「集合写真チャレンジ」

最近は集合することが少なくなったような…(個々の縄張りがしっかりとしてきたためでしょうか?)

今のところ、先月撮影した9匹が最高記録です。

さて。

このキイロサンゴハゼが集まるこの場所で、サンゴの成長も定点観測しています。

観察対象は、画像中央の紫色のミドリイシ。

これはちょうど2ヶ月前、9月28日の様子↓

そして、現在↓

わずか2ヶ月間で随分成長したのがわかりますね。

※この水槽は今年7月からLEDとメタルハライドランプの混合照明に変更したので、その効果・影響を観察しています。

【飼育研究部 森滝丈也】

セイウチの研究発表。

2021年11月 29日(月曜日) 筆者 ともちゃん

皆さんこんにちは、ともちゃんです。

 

先日、全国の動物園水族館で海獣類を担当する飼育係が集まる会議にて、研究発表をしてきました。

内容は、9月に亡くなったテンちゃんに協力してもらった「ハズバンダリートレーニング」についてです。

 

例年、セイウチに関する研究発表は少なく、今回の会議でも鯨類の話がほとんどでした。

僕自身初めての研究発表で、ここ1ヶ月は論文を読んだり、見やすい・聞きやすいプレゼンを模索したりとジタバタしておりました。

あらためて「トレーニング」について考えるいい機会でもありました。

 

実際にテンちゃんにハズバンダリートレーニングを導入する時、参考にできる事例の少なさを感じました。

そもそもセイウチの人工哺育の事例もほぼありません。

その中で他種の人工哺育やトレーニングと、ポウちゃんクウちゃんの飼育で得た経験とを擦り合わせながらやってきました。

 

いつか、どこかの水族館でセイウチが繁殖して人工哺育になってしまった時に、今回の発表が少しでも役に立てばという思いでした。

セイウチに関して分かっていることはまだまだ多くありません。

テンちゃんが教えてくれたことを次に繋げていきたい、そう考えています。

 

【飼育研究部 ともちゃん】

 

 

亜種って知ってる?

2021年11月 28日(日曜日) 筆者 まえだ

皆さまこんにちは。まえだです。

11月28日はかのマゼランが初めて太平洋に船を進めたことから「太平洋の日」なのだそうです。

 

太平洋と言えばもちろん「タイヘイヨウセイウチ」ですよね!

別の種に分けるほどではないが棲んでいる地域によって微妙に体の大きさや形等に違いがあるものを区別するため、分類上「種」をさらに細かく分けた「亜種」というカテゴリーが存在します。

セイウチも亜種のレベルで見ると2亜種(もしくは3亜種。諸説あり。)に分けられます。

ポウちゃんクウちゃんはロシア極東からやってきたのでこのうち「タイヘイヨウセイウチ」に分類されます。

大西洋に暮らす「タイセイヨウセイウチ」に比べ大柄な傾向があるようですが素人(飼育係含め)には一目に分かるものではありません。

 

しかしこうした遺伝子の微妙な変化は何千年、何万年という長い年月をかけて起きたものです。

「種の多様性」と同じく、もしくはそれ以上に「遺伝子の多様性」は重要なもの。

 

「亜種」までいかずとも遺伝子の変異は私たちの身近な自然でも細かく起こっています。

例えば別の地域で採ってきたカブトムシやメダカを野に放つという行為はこうした「遺伝子の多様性」を壊してしまうれっきとした環境破壊です。

絶対にやめましょう!

 

【飼育研究部 まえだ】

 

ボールパイソン展示水槽年末の大掃除

2021年11月 28日(日曜日) 筆者 ゆぅ

みなさんこんにちは、ゆぅでございます。最近めっきり寒くなって来ましたね。個人的に寒い季節は大好きなので、これからもっともっと寒くなってほしいです。そして雪だるまをひたすらがむしゃらに作りたいね。

さて、先日Gコーナー奇跡の森エリアにありますボールパイソンの展示水槽を大掃除しましたので、その様子をご覧いただきたいと思いますよ。

こちらが掃除前。水中にはうっすらとコケが生え、ガラスも若干乾いた水滴で曇り気味。

ちなみに、ボールパイソンの名前にもある「ボール」とは、そのままの意味を示しています。このように、身を守る時などは体をくねらせボール状になるんですね。体も強ばらせカチカチに。本当にボールのようですね。でも投げちゃだめだぜ。

掃除中はお邪魔なので、一旦別の容器に全員移していきます。体表が若干白濁したような個体が見受けられますが、これは脱皮間近である証拠。綺麗に皮が剥けるよう、湿度を十分に保ってあげましょう。

そしてこちらが掃除後のお写真。綺麗になったね!・・・言われて見ないとちょっと分からないかもね!床材も全て交換し、より清潔感が出ました。

気のせいか、ボールパイソンも嬉しそう・・・いや気のせいかもね!!

 

【飼育研究部 ゆぅ】

カニも慣れる

2021年11月 27日(土曜日) 筆者 かみおか

日進月歩のIT事情に全くついていけない今日この頃。

インターネットとかスマートフォンとか、その機能もほぼ使えていませんが、なんとか、スマホのカメラ機能くらいは使えます。

今日は干潟水槽に暮らすカニたちにカメラを向けてみました。

ちょっとピンボケ?あ、スマホカメラすら使いこなせてないかも。

この記事を書いているワードプレスというシステムのこともワールドプロレスだと思っていたくらいなんで許してください。

さて、干潟水槽にいるカニ達は野外で採集してきたものですが、野生のカニって凄く警戒心が強いというか、臆病というかで、野外だとだいたい5mくらいまで近づくとダッシュで巣穴に逃げ込みます。

だから、捕獲するのも大変なんですが、水槽に入れて2か月もすると、なぜか至近距離まで近づいても全然逃げる気配すらなくなります。

カニも慣れるんですかね。

ということで、今日は干潟水槽の陸ガニをご紹介します。

一番最初のカニは「アカテガニ」です。陸ガニのなかではもっとも陸への適応が強く、里山まで上がってきます。

こちらはハマガニ。逆に陸ガニのなかでは陸への適応度が低い部類で、潮間帯の水辺からあまり離れることはありません。

こちらはベンケイガニ。アカテガニとハマガニの中間くらいの陸上適応度です。

こんな陸ガニたちですが、幼生は海水で成長する必要があるので、産卵期には河口近くまで移動し、結局、完全に海と切れることはできません。

かみおか

キンチャクガニの興味深い行動

2021年11月 27日(土曜日) 筆者 もりたき

カニの話題が続きます。

へんな生きもの研究所で飼育しているペアのキンチャクガニ(キン太郎とチャク美)ですが、時々、興味深い行動が観察されます。

お互いに歩脚を伸ばして“握手”して、時折ピンピンと振るわせる…何か信号を送るような行動です。

画像右側がオスで、どうもオス側からアプローチしている様子。

実は、前日までメスは卵を抱えていて、孵化したばかり。この行動は次の繁殖を促す行動ではないかとにらんでいますが、どうでしょう?

もう少し観察を続けていきます。

キンチャクガニの行動について、何か情報をお持ちの方は連絡ください(笑)

さて、そんなキンチャクガニのキン太郎ですが、昨日の夕方に見ると、脱皮して綺麗になっているじゃないですか!模様くっきり。

こちらが脱ぎ捨てた殻。

ちなみに、キンチャクガニは脱皮するときにハサミでつかんだイソギンチャクを一時的に離すようです。

どんなふうにイソギンチャクを置くのか?波に流されないようにするのか?情報が少ないので、かなり興味があります。

いつか、その瞬間も観察してみたいものです。

【飼育研究部 森滝丈也】

イソコンペイトウガニを展示しました

2021年11月 25日(木曜日) 筆者 もりたき

へんな生きもの研究所に甲幅わずか1㎝ほどの小さなカニ、イソコンペイトウガニを展示しました。当館で展示するのは6年ぶり。アパート水槽20号室でゾウリエビと同居です。

イソコンペイトウガニはトゲトサカの中に隠れる習性があるので、トゲトサカと一緒に水槽に入れましたが、隠遁スキルが高すぎて、どこにいるか探し出すのがかなり難しい…

体は可愛いピンク色だし、体全体に小さなトゲトゲがあるので、すっかりトゲトサカに溶け込んでいますね。これはかなりの「展示泣かせ」(展示してもよく分からない、の意)

来館された際には、是非、へんな生きもの研究所でイソコンペイトウガニ探しに挑戦してください。

【飼育研究部 森滝丈也】

冬が始まるよ。

2021年11月 25日(木曜日) 筆者 ともちゃん

皆さんこんにちは、ともちゃんです。

 

現在、セイウチ水槽の1つが塗装工事をしています。

大きい水槽にはポウちゃんとツララ、その横のプールにはクウちゃんが引越し中です。

セイウチの写真を撮る時はトレーニング中に撮ることがほとんどですが、クウちゃんはこの「何とも言えない表情」。

カメラを構えると撮られることがわかるのか?スッと止まって、真剣な表情でレンズを見つめます。

 

大きな水槽でポウちゃんと同居している時、トレーニング以外の時間はほとんどプールに浮いてボーっと目を閉じてまどろんでいることが多いですが、今はよく泳いでいます。

ここ最近の鳥羽は、いきなり寒くなってきましたので、セイウチたちも冬の訪れに気付いている事でしょう。

外は寒いですが、クウちゃんのいる水槽は屋内なので、寒さを気にせず泳ぎに徹しているのかもしれません。

 

僕の飼育日記を見てくれている方なら「ともちゃんは冬が苦手」なことはご存じのはずですが、気持ちはワクワクしています。

セイウチが1年に1度の発情期に向けて体も心にも変化が現れます。

いわゆる「セイウチらしさ」が1番感じれる季節です。

今年も彼らと厳しい冬を乗り越えたいと思います。

 

【飼育研究部 ともちゃん】

 

 

 

小ネタ放出

2021年11月 24日(水曜日) 筆者 もりたき

今回は飼育日記で1話に広げられなかった小ネタ3題を放出します(笑)

①コロナ禍がもたらした意識の変化!?

古くから「人魚の財布」の別名が有名だったナヌカザメの卵ですが、最近は「これってマスクみたい。マスク、マスク!」の声をよく耳にします(終わり)

②なぜかウィンク。

このネタ、10月11日ウインクの日に書き込むつもりでしたが…。キンセンガニはよく片目(左側)を閉じています。でも、エサを食べる時は普通に両目を立てますから。って、休憩しているだけ?(終わり)

➂軽石、漂着。

…ではなく、11月11日にカルイシガニが脱皮しました!意外なほど大きくなって1.5倍ほどのサイズ感。そして軽石っぽさもマシマシ~(終わり)

【飼育研究部 森滝丈也】