アフリカマナティーの上唇

2018年12月 17日(月曜日) 筆者 もりたき

いつも紹介している無脊椎動物以外に、私はアフリカマナティーも担当しています。1996年のアフリカ調査(捕獲・輸送)以来の関わりなので、すでに22年以上になります。

冬になると餌の牧草がやわらかくなることもあって、夏に比べて「かなた(♂)」の摂餌意欲が上がるようです。

午後は昼寝をしていることが多いかなたですが、先日は午後も積極的に餌を求めて浮上していました。

個人的に彼らの 萌えパーツは「上唇」だと思っているのですが、これを器用に動かして餌をつかむ姿はカワイイですね(笑)

餌は水底で食べます。

こちらは「みらい(♀)」の上唇。ちなみにこの上唇はタプタプと絶妙にやわらかくて、動きの面白さだけでなく、触れても気持ちいいんですよ(笑)

【飼育研究部 森滝丈也】

くつろげますか?

2018年12月 17日(月曜日) 筆者 ろん

ペンギン達はそれぞれにお気に入りの場所があって、その場所にいる事が多いです。

そこでくつろいだり、眠ったりするのですが、「ナッツ」のお気に入りの場所が

この岩の上。この写真だと普通に見えますが、実は・・・

この岩の下、こんな風になってるんです。かなりの高さ。

しかもこの岩、端が下向きのスロープ状。

ここのギリギリの場所でぼんやり立っていたり、眠ったりしているナッツちゃん。

落っこちそうで見ている私の方がドキドキするのですが、本人はここが良いようです。

そんなナッツの目印は右の翼に白と茶色の輪っかです。

探してみて下さいね!

【飼育研究部 ろん】

餌の準備

2018年12月 16日(日曜日) 筆者 わかばやし

飼育係の重要な仕事のひとつに餌の準備があります。私が担当するスナメリの餌はマアジで、冷凍されたブロックを毎朝解凍し、鮮度がよいものを大・中・小に分けていきます。現在、鳥羽水族館には8頭のスナメリが飼育されていて、1頭あたり3キロほど食べるので、合計24キロのマアジが必要です。マアジ1匹は40~60グラムなので、500匹ほどを選別することになるでしょうか。これを1年間続けたら、なんと18万匹以上を選別していることになり、改めて自分の指に感謝してしまいます。

選別したマアジは朝、昼、夕のバケツに取り分けます(朝のバケツには青のビニールテープ、昼のバケツには黄色のビニールテープ、夕方のバケツには赤のビニールテープが巻いてあり、間違わないようにしています)。例えば120匹で6キロのマアジをバケツに用意した場合、1匹は50グラムとなり、食べた量=50グラム×匹数で計算できます。給餌の際には誰が何匹食べたかをカウントし、各個体の摂餌量の把握をしているのです。今年も残りわずかですが、今ごろは17万5000匹目くらいでしょうか・・・

わかばやし

黒いザリガニ参上っっ!!

2018年12月 15日(土曜日) 筆者 いま

参上!!

というわけで、新入社員ならぬ、新入ザリが入社(?)したので紹介します。

 

タイトルでお分かりの通り、こちらです。

 

じゃじゃーーん!!

 

 

ビビるくらいかっこいい( *´艸`)

 

こちらの黒いザリガニは、皆様ご存知のアメリカザリガニです。

そう。夏場になると君の家の近くにある川や水路にいる、あのアメザリです!

 

「いやいや、アメリカザリガニは赤ですから。」

って、思う方もいるかもしれません。

 

稀に、出るんです。

青や黒、白。または、それらが混ざった色などを持つ選ばれた戦士たちが。

 

こちらの黒アメザリは、私の知人であるザリガニ通のお方からいただいた個体になります。

元はワイルド(野生)にいた、ちょっと色の違うアメザリを繁殖させていたらしいのですが…。

こんな系統が出てきたそうで。(笑)

ゴイスーですよね。アメリカザリガニという1種の枠の中で、こんなにも個性あふれる色が。

ザリガニの可能性を感じた瞬間でした!!

 

 

黒アメザリは、現在、ザリガニコーナーで展示しております。

ぜひ、1度くらいはお目にかかっては?!

 

※日によっては展示を変更することもあり、見られない日もございます。

 

飼育研究部 【いま】

カンムリヒトデにスイクチムシを寄生させてみました

2018年12月 15日(土曜日) 筆者 もりたき

先日の沖合底引き網では、去年新種発表されたカンムリヒトデスイクチムシが1匹だけ採集できました(スイクチムシは棘皮動物に寄生するゴカイの仲間です)ちなみに、本種はカンムリヒトデの胃に寄生しますが、特に悪さをするわけではないので、寄生というよりも共生と表現した方が適切かもしれません。

さて、このスイクチムシはヒトデから取り出すと数日のうちに死亡するため、今回も飼育中のヒトデに寄生させてみることにしました。

9月にも同様の実験をしていますが、今回は餌と一緒に与えるのではなく、まずはスイクチムシ単独でヒトデに近づけてみることにしました。ところがスイクチムシはすぐにヒトデにしがみついたものの、ヒトデの口元でじっと待機?して胃の中に入る気配はありません。

そこでヒトデに餌を与えてみることに…。

すると、ヒトデが餌を食べ始めるとスイクチムシは一緒に胃袋の中に入っていくではありませんか!

まさに口が開くのを待っていたかのよう。もしかしたらスイクチムシは自力では口をこじ開けて胃の中に到達できないのかもしれませんねぇ。

これで9月の個体に続いてスイクチムシと共存するカンムリヒトデ2匹目の誕生です。

実は、皆さんにもこの寄生(共生)の様子を観察してもらいたいと考えていたのですが、普段はヒトデの胃の奥に隠れてなかなかご覧いただけません。残念です。でもしっかりヒトデの胃の中で生きていますよ。

【飼育研究部 森滝丈也】

ウデナガゴカクヒトデのシダムシを調査しました

2018年12月 15日(土曜日) 筆者 もりたき

先日の木曜日は熊野灘の沖合底引き網漁船に乗せてもらい、朝5時から夕方5時まで生物採集。

今回は漁船が目当てとする魚(アオメエソやムツなど)の獲れるポイントからほとんど移動しなかったので、5回の曳網で獲れた生物種はほぼ同じ。

水族館としては色々な生物が採集できた方がありがたいのですが、これはこれで仕方がありません。無脊椎動物はウデナガゴカクヒトデばかりが大量に採集できました。

まぁ、これも良い機会だととらえてウデナガゴカクヒトデに寄生するシダムシの寄生率を調査することにしました。

ここでシダムシを知らない方に解説を…シダムシはヒトデの体腔に寄生する甲殻類で、日本から正式に報告されているのは3種類です。これまでに熊野灘の漸深帯からの報告はありませんでしたが、2015年に未知のシダムシを見つけ、今、研究者と一緒に研究を進めています。

ウデナガゴカクヒトデのシダムシは寄生率が低くかなり珍しい種類です。

今回、水深250-280mで採集したウデナガゴカクヒトデを確認したところ、シダムシに寄生されていたヒトデは4匹だけ(寄生率は1%ほど)。やはりこのヒトデに対するシダムシの寄生率はかなり低いようです。

今回採集した4匹はこちら。

2015年の発見以来、ウデナガゴカクヒトデから見つかったシダムシはこれで総数20匹になりました。

【飼育研究部 森滝丈也】

あの人(魚)は今?

2018年12月 14日(金曜日) 筆者 かみおか

鳥羽水族館では、年に数回、企画展を行っており、テーマに合わせた魚類なども飼育展示されています。

僕個人が関わった企画展としては、昨年夏の「危険生物展」や今年夏の「もっとへんな生きもの展」などがありますが、その企画展示のスター級魚類たちは、現在どうなっているんでしょう?

追跡取材を行いました。

まずは、こちらのデンキナマズですが、昨年の危険生物展で「電気を発する危険魚」として展示されていました。現在は、バックヤードで専用の水槽で悠々自適の生活を送りながら、次の出番に備えています。

そして、こちらは今年の「もっとへんな生きもの展」で見事に夏眠繭を作ってカンピンタンになっていたハイギョですが、現在はすっかりみずみずしさを取り戻し、こちらも専用の水槽で次の出番を待っています。

このように、水族館では企画展だけでしか登場しない生きものたちも、元気にバックヤードで暮らしています。

(かみおか)

イシガキウミウシを展示しました

2018年12月 14日(金曜日) 筆者 もりたき

先日、菅島の幸進丸さんからイシガキウミウシをいただいたので、さっそくへんな生きもの研究所で展示しました。

ウミウシと言えば、小型で色鮮やかなイメージがありますが、このイシガキウミウシは(ウミウシとしては)巨大で、(見る人によっては)気持ち悪い…とあまり評判は良くありません。

…確かに。でも私は嫌いじゃありませんよ(笑)体長20cmほどあります。

正面顔↑

そのイシガキウミウシが水槽の中で産卵しました(安いカーテンのような色…)。

孵化しても育てるのは難しいのでこのまま放置しておく予定です。イシガキウミウシ共々是非ご覧ください。

【飼育研究部 森滝丈也】

 

謎です

2018年12月 14日(金曜日) 筆者 たかむら

今回は【へんな生きもの研究所】で飼育展示している「アミメノコギリガザミ」のお話です。

このアミメノコギリガザミは、以前の飼育日記で紹介しましたが(2018年1月5日)、かなり大きなカニさんです。

当館にやって来たのは2017年8月27日のことでした。

↓↓ こちらは、最近のアミメノコギリガザミの様子です。

以前のような凶暴さは見当たらず、水槽になじんでくれています。

(とはいっても、水槽掃除の時などは、ハサミ脚を振り上げてますが…苦笑)

さて、ある日の朝の事です。

いつものように見回りをしていると…アミメノコギリガザミが!

え?

え?え?

え~~?なにしてんの??

タカアシガニでは、こういう格好をすると排泄(うんち)をすることがあるのですが、今回のケースはどうも違うようです。

コンタクト落としたの?

前転の練習?おはようのあいさつ?それとも土下座?

なんだ?なんだ?と観察をしていると、徐々に体勢が通常?にもどってきました。

水流に煽られたわけでもなさそうです…

う~む。。一体なんだったのでしょうか?正解はわかりません。謎の行動です。

何か意味はあると思うのですがねぇ。なんだろう?

ひとまずここに記録しておきます。

【飼育研究部 たかむら】

オウムガイの胚の向き

2018年12月 12日(水曜日) 筆者 もりたき

オウムガイの卵は外殻と内殻の2重構造になっています。

今回は内殻とオウムガイ胚の位置関係のお話です。内殻は2つが合わさった形になっていますが(ピスタチオやギンナンの殻に似ています)卵の中のオウムガイ胚は2つの内殻に対して常に平行になっています。つまり胚は右(R)と左(L)を内殻に挟まれた格好になるわけです。

おそらく成長に伴って卵殻を押し広げていきやすいように、こういう位置になるのでしょう。

面白いのは、産み付けられた卵の向きとは関係なく、いつでも胚は内殻と並行になるということ。どういう仕組みで平行になるのか興味深い。

平行になる仕組みのカギとして挙げられるのは、発生初期のオウムガイの胚はどうやら卵の中で動くことが(回転)できるということ。

これは以前観察したオウムガイの発生初期の胚ですが、この画像では胚の右側(R)が下になっていますが…

3日後に確認すると胚は180°回転して左側を下にしていました。

どうやら発生初期の胚は卵の中で動いて位置を決めているようです(ただし内殻に対して常に平行になる仕組みは不明ですが)。

ちょっと難しい話になってしましましたが、個人的にはとても興味があります(笑)

【飼育研究部 森滝丈也】