『デンキウナギと先輩』

2012年11月 30日(金曜日) 筆者 R中村

鳥羽水族館のクリスマス…「電撃ビリビリツリー」

その主役は、デンキウナギくん。

発電するたびに、1800個のイルミネーションが輝いてとてもきれい。

 

頑張って灯りをともしてるデンキウナギを眺めてると、

ある思い出がよみがえります。

 

もうかれこれ…ん年前のこと。

私は新入社員で飼育体験研修中。

その日、バックヤードで作業していると、先輩から指令が。

「次はこの水槽、ブラシ使って掃除しておいてな。」

「はい!」っと返事して覗いた水槽の住民は…

褐色で…

長く…

太い…。

 

「あの…これってデンキウナギ、ですよね?」

「あ、ようわかったね。そうそう」

「感電しないんですか?」

「ん…餌食べる時とかやないと、そんなに発電するわけちゃうで、大丈夫大丈夫!」

「わ、わかりました」

 

果たして、約1分後、

「ビシッ」と腕に鞭打ちされた様な衝撃を受け、悲鳴を上げる私

「あ、やられた!? ごめんごめん。でももうこれで当分発電できんから安心して掃除して」と先輩。

「ごめん」と言いながらも顔はニヤニヤ。おそらく狙い通りの展開だったのでしょう。

ちょっぴり先輩不信に陥りながらも、掃除再開…の約2分後。

再び悲鳴の私!

先輩を睨むと、もう笑いをこらえるの必死、って感じ。

 

もちろん、新入社員いじめとかじゃなく、

ちょっとしたイタズラのような感じだったのでしょう。

実際、研修期間が終わった後も、

その後水族館を退職されてからも

先輩はとても優しくしてくれました。

 

しかしながら…数年前、先輩は突然この世を去ってしまったのです。

 

発電のたびに輝く、カラフルなイルミネーションと

デンキウナギのどこか憎めない表情を見ていると

あの日のイタズラっぽい先輩の表情が想いだされます…。