種類不明タコとニハイチュウ

2018年1月 3日(水曜日) 筆者 もりたき

11月に尾鷲沖水深150mで採集した正体不明のタコ。

餌をとらずに1ヶ月あまり卵を守っていましたが、残念ながら孵化を見届けることなく力尽きてしまいました…

それが母タコの運命だとは言え、やはり少々悲しい。明日から私が代わりをしなくては…

それに加えてもう一つ大事なことが。

このタコの種類を明らかにしなくてはいけません。

すぐに答えは出ないかもしれませんが、ひとまず本体は標本に…

合わせて腎嚢のニハイチュウを観察してみました。

宿主によって異なるニハイチュウが見つかるので、タコの種類を知る手掛かりになるかも知れません。

今回見つかったのどうやら2種類。

こんなニハイチュウと

こんなニハイチュウ(右が頭部)どちらも初めて見る姿。

からだ(軸細胞)の中には滴虫型幼生が!尿中にもたくさん泳ぎまわっていました(目玉のように見える「屈光体」を持つのが滴虫型幼生)

ニハイチュウは通常、腎嚢中で無性的に増えていますが、個体密度が高くなると有性生殖で増えるようになります。有性生殖で生じた滴虫型幼生は尿とともに海水中に泳ぎ出て、新しい宿主に寄生すると考えられています。

今回は滴虫型幼生がひときわたくさん泳ぎ回っているようでした。宿主の死が近いため、旅立つ準備をしていたのかもしれません。

【飼育研究部 森滝丈也】