フクロムシを展示しました

フクロムシに寄生されたヒシガニが入館したので、さっそくへんな生きもの研究所で展示しました。

フクロムシは体節構造を全く持ちませんが甲殻類の一員で、同じ甲殻類であるカニやエビなどに寄生します。

カニの外側に見えている袋状の部分の中身のほとんどが生殖巣(卵)で、この付け根から出ている根のようなものをカニの体の中に張り巡らして栄養を吸収しています。

いや、表現が逆かな?

「袋から根が…」と言うよりも「根から袋が…」といった表現の方が正確でしょうか。

 

実はフクロムシの生活史はなかなかユニークです。

簡単に解説すると…まず、メスのキプリス幼生(泳ぎます)はカニの体表に取り付くと、ケントロゴン幼生という形態になります。

そしてケントロゴンはカニの体に針を刺して中身だけ体内に侵入します。これがバーミゴン幼生。

バーミゴンはカニの血流に乗ってお腹あたりに到着すると、そこの血管(血洞)に付着して、そこからどんどん根を伸ばしていきます。

そして最終的に生殖巣である袋を作り、カニの外側に飛び出してくるのです。

つまり、根が育って袋ができるのですね。

 

いつも思うのですが、この生活史はキノコに少し似ているような…(菌糸が成長してキノコになる)

そして、フクロムシのオスは精巣以外の器官がほとんど退化していてとても小さく、メスの体の中に潜んでいるそうです。

受精すると袋の色は徐々に変化し、その後、卵から孵化したノープリス幼生が泳ぎ出てくるそうです(脱皮を何回か繰り返してキプリス幼生に変態します)。

ちなみに受精前の色は「ヴァージンイエロー」と表現されるとか。

 

そして、袋の部分は何回か繁殖するとポロリと落ちるらしい…

 

フクロムシの仲間の展示はこれで2回目ですが、今回の個体は宿主がヒシガニということもあり、サイズも大きく観察も容易。

フクロムシ好きの方は是非ご来館ください(笑)

【飼育研究部 森滝丈也】