高校生がイカを解剖しに来ました

2016年9月 12日(月曜日) 筆者 もりたき

今、大阪大学の方と一緒に熊野灘のニハイチュウについて調べています。

ニハイチュウはタコやコウイカ類の腎嚢に寄生する体長数百μm〜数mmの小さな生物。多細胞生物でありながら体を構成する細胞はわずか40個以下で、器官の分化もありません。

種特異性が高いので寄主(タコ・コウイカ類)ごとに、異なるニハイチュウが見つかります。

例えばこういうニハイチュウや

こういうニハイチュウなど

深海のタコやコウイカはほとんど調べられていないので、まだまだ知られていないニハイチュウがウヨウヨ。

そこで、熊野灘の沖合底引き網でタコやコウイカ類を採集した翌日に大阪大学の先生が鳥羽まで来て、ニハイチュウのサンプリングを続けています。

ニハイチュウもそうですが、熊野灘にどんな種類のタコやイカ(頭足類)が棲息しているのかも明らかにしようと取り組んでいます。

 

さて、今回は先生と阪大の学生さんに加えて、高校生1名もサンプリングに同行していました。

実は、大学には将来グローバルに活躍しうる人材の育成を目的とした、高校生対象の教育プログラムがあるそうで(全国15の大学で実施。科学技術振興機構が支援)、今回来館したI君も昨年からこの教育プログラムに参加し、熊野灘の深海のコウイカ類について調べているそうです。

そして見事、I君は大阪大学の代表として選抜されて東京でおこなわれる発表会に参加することになったそうで、その前に実際に熊野灘の深海で獲れたコウイカ類の解剖を体験しに来たのです(固定された標本の解剖ばかりだったので、生を扱うのは初めてだったそうです)

発表頑張ってください!

こんな風に私の採集物が次世代の教育プログラムに活かされていると知ると、やはり嬉しいですね。

そして、こういった研究のつながりを水族館の飼育(展示・研究)にどんどん活かしていかなければ、と決意も新たに…

【飼育研究部 森滝丈也】