カイロウドウケツとドウケツエビ

2014年4月 15日(火曜日) 筆者 もりたき

先日、いつもお世話になっている深海底引き網漁船に乗船して生物採集をおこなってきました。

船上ではひたすらめぼしい物を拾い集め、水族館に戻ってから詳しく観察するのですが、本日面白い生きものに気が付きました。

カイロウドウケツ(カイメンの仲間)です。

ガラスカイメンとも呼ばれるカイロウドウケツはガラス質の骨格が美しい深海性のカイメンで、標本にするとこんな感じ。

「ビーナスの花かご」の別名で呼ばれるほどの美しさ。

このカイロウドウケツの中にエビが2匹ひそんでいたのです。

ドウケツエビです。

このエビは通常、カイロウドウケツの中に雌雄ペアでいることが多く、一生をこの中で過ごします。

実は、偕老同穴(かいろうどうけつ)とは「共に暮らして老い、死んだ後は同じ墓穴に葬られること」を表す中国の故事成語で、転じて夫婦の信頼関係が非常にかたいことを意味するそうです。

まさにその故事成語そのままの生活を送るドウケツエビ。なかなか興味深い習性です。

幼生の頃にカイメンの網目をくぐり抜けて中に入り、成長して初めてオスとメスに分かれるそうです。体が大きくなるとカイメンから抜け出ることができなくなるので一生をここで過ごすことになります。

 

こちらがオス。

こちらがメス。卵を抱えていました。

卵がラムネ玉のようにキレイな水色をしていたのが印象的でした。